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第19話 お買い物

「久しぶりにお店の裏手まで回ると、こんな大っきな雑草さんが育っちゃってて、全然抜けなくて大変でした!」

「へー、大丈夫だったの? 抜けた?」

「サリファさんがフンッて抜いてくれました!」

「あーあの用心棒さんね」

「サリファさん優しいんですよ? 話しかけたらニッコリ笑ってお話ししてくれますし!」

「レミリアが優しいからね、いつもありがと」

「あぅぅ、そんなんじゃなくって……あぁもう、恥ずかしい……」

「ごめんごめん。それにしても今日も色々あったなー」

「クラリスさん? でしたっけ。私も今更名前を聞かなくて困ってたんです」

「だよね、俺もそうだよ」

「ニーナさん、良い人でしたね!」

「ね、冒険者ってもっと怖い人ばっかりなのかと思ってたよ。殆ど関わりなかったからさ」

「ニーナさんが特別なのかもしれませんね!」

「ふふ、そうかもね」


 今日も何事もなく通常業務を終え、片付けも終わってしまったので少し早いけれどレミリアと二人で家を目指して歩き始めていた。でも時間もあるし、たまには寄り道したっていいよね。


「まだ時間もある事だし、どこか寄っていかない?」

「良いんですか!?」

「そ、そうだね、そんなに?」

「私、探検大好きなんです!」


 パタパタと尻尾を振りながらそんな事を教えてくれるレミリア。耳がピンと立っていて非常に可愛らしい。さて、賛同も得られた事だしちょっとプラプラと……ん? あれは……洋服屋さんかな?


「あそこにあんな店あったっけ?」

「私全然わかりません!」

「……だよね」


 よく見ると女性物の専門店なのかな。普段見向きもしないタイプの店だから見落としていたのか……まぁいい。少し寄ってみようか。


「ひとまずあそこに寄ろうか」

「えっ!? 行きましょう行きましょう!」


 ピョンピョンしながら尻尾をパタパタ。本当、レミリアは分かりやすい子だな。




 ______





「うわー可愛いお洋服が沢山……」

「本当に可愛いね、こんな店あったんだ」


 若い女性をターゲットにしてそうな雰囲気の服が多く、特に激しい色やデザインの物が殆どなく、落ち着いた雰囲気のキレイ目な商品が大多数を占めている。


「うわぁ……」


 レミリアがとある見本のディスプレイ商品の前で足を止める。薄い青と白をメインにした軽そうな服に、少しモコモコした裾になったやや濃い目だけど淡い青がメインカラーのハーフパンツを組み合わせた仕様になっている。


 レミリアは髪が青いからね、似合いそう。よし、買っちゃうか。


「店員さんこれ試着できますか?」

「えっ」


 遠慮しがちなレミリアなので僕が勝手に話を進める、そして試着室に入って着替えてる間に会計を済ませておいた。


「あの……どう、ですかね?」

「……すっごく可愛い」


 あぁ……可愛い……。これはきっとマーベルさん辺りが耐えられないレベルで可愛いね。


「さ、荷物は纏まってる?」

「えっ?」

「その服、お会計済んでるからそのまま帰るよ?」

「良いんですか!? ……嬉しい」


 まだ残っていたタグだけ外してもらって、そのまま帰路についた。新たな服を見つめながら緩い表情をしているレミリアが見れただけで、僕は満足だ。

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