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第188話 最後の報告と帰路の話

 それから被害を受けた獣人と和解し、そこでエルフ族への懸念を聞いた事を伝えた。でもエルフ族の問題は我々の論議する範囲ではないとクラリスさんが判断したので、その話題はスルー。


 そしてそれをギルドに報告しておいた話へ。


「依頼を受けていた人でも、それを直接ギルドを経由して委託された冒険者でもないのにさ。院長さんよく話聞いて貰えたね」

「事が事だったので話はすぐに聞いて貰えましたよ? 情報の続報が欲しかったんじゃないですかね」

「にしても信憑性ないじゃん。でも任務完了を受理して貰ったんだよね?」

「ま、まぁそうですね……」

「どうやって?」

「えっと……知り合いの知り合いが軍のそこそこの位置に席をおいていて……、そのツテでガンディス様とコンタクトが取れましてですね」

「あー、あのおっちゃんか。街でたまに見るけど滅茶苦茶暑いよね、見るだけで汗かいちゃう」

「ガンディス様が保証してくれると上手く話をつけられました」

「どうやったらそうなる訳?」

「まぁ、……ご縁で」


 うぅ、この話はレミリアとお姉さんの話を秘密にしながら話すの難しいな。でも勇者絡みの話は暫く人には話さない方が良さそうだし……仕方ないか。


「ひとまずこの件は炎将ガンディス様が保証し、完了したと軍もギルドも認識してくれている訳ですわね?」

「そういう事ですね」

「……助かります、その証明も本来なら難しいモノだったと思いますので」


 そもそもアレを倒せる人がそんな簡単に見つかるとも思えないし、となるとかなり街から遠い場所での討伐になる。そうなればなる程証明が難しくなると。


 仮に依頼の遂行に失敗して森からの恨みを買おうものなら全てをケインズバーグ家のせいにして。どう転んでもかなり大きな問題に発展しかねなかったと。だからこれをケインズバーグ家に押し付けてたんだ。本当貴族だからって楽な訳じゃないんだね。


 クラリスさんと知り合うまではただの特権階級だとばかり思ってたよ。


「まだ安心は出来ませんが……、ひと段落着いたと言えますかね。本当に何から何まで……」


 少し油断するとすぐに話が湿っぽくなりそうになる。うーん、これはマズいなぁ。


「その、あ! そもそもニーナさん達がここまで護衛してくれなければ来るに来れませんでしたし、僕も皆に助けられて今日がありますので……」

「あーそうだったね。やる事が終わったなら僕らもラベルカーンに戻ろうかなー。院長さんたちは帰りはどうするの?」

「ご一緒させて頂けると助かりますね」

「え、もう……行かれるのですか?」


 少し涙目のまま、クラリスさんに見つめられる。このままここにいたら湿っぽい空気が恩を増大化させちゃって凄い事になっちゃいそうだしね。


 程々に引き上げた方が……。


「あの、店もね。閉めたままなんで」

「そう……ですわね。これ以上は流石に……」


 下を向いて、しょんぼりするクラリスさん。

 くっ、申し訳なくなってくる。いや、でも早く帰らないとカミラもプラムも待たせてるから……。


「私の両親の復帰祝いに、今晩小さくパーティを開こうと思っておりまして。美味しい料理を用意する予定だったのですが……」

「え!? 食べたい!!」

「でも今日立たれるのでしょう?」

「明日でいいじゃんそんなの! 一日くらい変わらないって!」

「ちょ……」


 そんな訳でニーナさんがご飯に釣られて見事に全員で一泊していく事に。結局こうなるのかー。


 ま、まぁレミリアも疲れてただろうから一日くらいゆっくりしてもいいよね。ここだとご飯も寝床も一級品だからゆっくり出来るだろうし。


 なんかいつも流されてるな……。

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