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第178話 集落へ

 痛たたた、身体のアチコチが痛い。うーん、ちょっと無茶し過ぎたかなぁ。今回の敵はかなり厳しい相手だったから仕方ないんだけどね。


 小回りの効く敵、特殊な力、数の暴力、色々と厄介さは違うけれど一番どうにもならないのが圧倒的なパワーと防御力。


 何がどうあっても倒す事が出来ない上で止められない、防げない。こういった手合いを相手取る場合、守るモノが多ければ多いほど不利になってしまう。


 そして戦いが不可避になった場合、相対した時の圧力たるや常軌を逸したものがある。それに立ち向かっていたライオン一族の方々の強さは僕のそれなんかよりよっぽど凄い物がある。


 僕は……力があったから。それに人族の不始末だから。当然の事をしただけなんだけど……。


「是非来て欲しい」

「いや、あの僕はそんなお礼を言われるとか……」

「頼む、大恩を受け流したとあっては獅子族としてもやりきれないんだ」

「え、その……」

「頼む!」

「……はい」


 と言った具合に結局行く事になっちゃったよね。強めに頼まれると弱いなぁ……。


 そう言えばレミリアにも先程は馴れ馴れしくして申し訳ありませんとか謝られたけど、それこそ気にしないで欲しいんだけどね。家族なんだからさ。


 今日は何か凄いバタバタして疲れたな……。おっと、気は抜いてられないよね。


 もう魔力もかなり消費している。これ以上何かあったら対応出来るかどうか……。いや、まだもう少しだけやる事が残ってるからね。やるしかないんだけど。


 今回はクラリスさんの代理として派遣された魔物の討伐隊員としてここに来ている。つまり、森に齎した被害は正確に理解しておく必要があるという事。


 僕一人のそれでここに来た訳じゃないからね。とは言え一人で調べて帰るつもりだったけど、既にそれを正確に理解してる人たちに教えて貰えるなら時間的にもそれ程差はないだろう。


 その辺りの折り合いでこの同行の話を受けたんだ。流されただけって訳でもない。ここでへばるのはまだ早い。


 と思って走ってたら、隣にいたミールの上のレミリアが代わりましょう! って言ってくれてさ。結局僕は今ミールの背中に抱きつきながら運ばれている。


 サイズ感的には荷物を僕が背負ってギリギリって感じ。でも何も考えずに運んでもらえるのは凄く楽だ……。


 レミリア、森の中を歩くのは久しぶりだから嬉しいって言ってくれてさ。ほんとに尻尾をパタパタさせて嬉しそうに言うもんだからその言葉に甘えさせてもらっちゃった。


 ミールの背中、フカフカで気持ちいいな……。




 ______





「間も無くだ」

「……!?」


 あれ!? ……え?


「あ、ご主人様。お目覚めですね、お水をどうぞ!」

「……ありがと」


 あー寝てたのか。疲れてたからなぁ……水が美味しい。まだ頭が少しぼーっとするけど、ちょっと楽になった気がする。


 めちゃくちゃしんどかったからね、レミリアとミールには気を遣わせちゃったな。有難い。


「もうすぐ着くそうですよ!」


 心なしか楽しそうなレミリア。森の中だからかな? 或いは集落みたいな場所に少し思う所があるのだろうか。うーん、何か最初からずっと街で一緒だったから殆ど考えなかったけど、レミリアは森の世界出身だったよね。


 たまにはこういう自然と触れ合う時間も作ってあげようかな。


 嬉しそうだしね。

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