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第168話 屋敷に向けて

 さて、ここからどうしたものかな……。流石に別件過ぎてクリス様にクラリスさんの住居を尋ねる訳にもいかなかったし、とは言えどこか分からないしな……。


「あー良かったー! 入れ違いになるかと思って心配してたんだよ!」

「ニーナさん!?」


 そこには手を振りながらこちらへ歩み寄るニーナさんとルルリさんの二人がいた。あれ? 確か二人は先に向かった筈なんだけどな。


「クラリスからさ、多分二人が困るだろうからってまずこっちにって、えっと何だっけ?」

「私たちが向こうに到着した時、既に状況はかなりバタついておられまして。取り次いで貰おうと思った時点で、ナビリスさんの存在を確認されました」

「……え? 僕の?」

「えぇ、おられないのであれば、合流してから来て欲しいと踵を返す形になりまして……、そして今という訳です」

「そうでしたか。確かに二人がいなきゃ辿り着くのに手間取ったと思います。助かりました」

「そちらの件は済みましたか?」

「えぇ、問題ありません」

「良かった、では参りましょう」

「あの……ミールを大っぴらに連れて行くのは目立ちますよね?」

「そうですね……テイムは技術として存在しますが、かなり少ないので控えるべきかと」

「すまんミール、我慢な」

(キュゥ……)


 レミリアの鞄の中から小さく声が聞こえた、ミールは賢いからまぁ大丈夫だろう。ちょっと申し訳ないけどね。




 ______





「これはまた大きな家だな……」

「まぁクラリスは良いとこのお嬢様だからねー」

「ニーナさんとはどこで?」

「うちは没落貴族だから、昔の名残かな」

「あ、えっと……すみません」

「あはは、僕は気にしてないし貴族なんて性に合わないからね。これで良かったのさ!」


 改めてクラリス邸を見上げるとそれは広く大きなお屋敷で……、本当に場違いだな。


 ……!?


 うーん、どうも【毒】の気配があるな……。元々色んな所に点在はしてるけど、なんというかネチっこい嫌な毒の気配がする。


 これは多分……人の体の中だ。


 さて、これがこの件に関係しているのかどうかもそうだけど、少なくともやはり陰謀めいた何かが交錯しているのは間違いないみたいだね。


「ニーナさん、少し作戦を考えましょうか」

「え? 入らないの?」

「恐らく、入ると何かに巻き込まれます」

「……まぁそうだろうね」

「そうならずに外部からこの件に関われる人材を残すべきです」

「えーでもそれだと折角院長さん連れて来たのにクラリスに怒られるじゃん」

「僕に考えがあります」

「……考え?」

「無闇に行っても術中にハマるだけかもしれません。悲しい経験ですが、後手に回されると辛いのは経験済みなので」

「へー、何か楽しくなってきた!」

「もうニーナさん! ダメですよ!」


 ワクワク顔のニーナさんにそれを律するルルリさん。いつもこんな感じだよねこの二人。良いパーティだなぁほんと。


「それでそれは具体的にはどんな考えなのでしょうか?」

「はい、まずは……」


 さて、クラリスさんを助ける作戦を始めようか。

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