第161話 側近、クリスティーナとの出会い
「初めまして、私はガンディス様の側近として補佐させて貰っているクリスティーナだ、クリスで構わない」
「は、初めまして。ナビリスです」
いざ目の前に来て握手をすると、僕よりも背が高い事が判明。流石ガンディス様の側近、凄い圧力だ。
「場所を移そうか、ここで話す内容ではないだろう」
「あ、そうですね」
促されるままに元々待つように言われていた部屋へと移動する。レミリアも僕の後ろについて来ている。
不安そうな顔をしているからクシャっと頭を撫でておいた。きっと大丈夫だよ、大丈夫。
「まず、今回の件は国側の大失態。その後始末にさえ更なる不備を伴う許されざる事態だ。その問題の末端にて迷惑をかけてしまった事、謝罪させてくれ。本当にすまなかった」
「あ、いや、貴女のせいでは……」
凄く真っ直ぐな人だ、この人が悪い訳じゃ無いはずなのに、僕みたいな一般人にこんなに丁寧に頭を下げられる軍上層の人がいたなんて。この人の事は……知らなかったな。
「本件はガンディス様の預かりとなっている。責任はこちらにあるのだが……実は我々も先日ここに着いた所なんだ」
「え、そうなんですか?」
「グランバインから勇者を護衛してここまでね。こちらの進路でも確かに僅かに違和感は覚えたが、気にするほどではなかった。そっちに向けて流れたのだろう。もしかすると更に西側に……いや今する話ではなかったな」
あれ? 今妙な単語が聞こえた様な……。
「いえ、それより勇者がこの街に?」
「知らなかったのか? 街が騒がしいだろう?」
「成る程、……そのせいでしたか」
「ガンディス様の帰還と勇者の来訪、これで街が盛り上がらない筈はないからね」
お伽話の存在が今ここに? 一眼見てみたい気もするけど……ミーハー過ぎるね。目的から逸脱してるし。
「で、実はそのままこの件が流れ込んできてね……、私としても今は対応に追われている。ガンディス様から頼まれている勇者の指導もあるから手が回らなくてね……」
「勇者の指導? え、勇者の強さって……」
「おっとすまない、冒頭から機密事項だからつい油断して余計な事を。それに隣のその子の存在で気が緩んでいたのも事実だ」
「え? レミリア?」
「え? ……私ですか?」
ここで突然レミリアの話題が。
え、どういう事だろう。
「この未曾有の汚職事件という大失態に関係した内容で二人がこの街に来て、私に本件の事情を聞こうとこの場設けた」
「……はい」
一体何を?
「そして……一眼見た時から私にはその内容に察しがついている」
「え?」
「君の姉は……オリヴィアという名前では?」
「え!? そ、そうです……何故クリスティーナ様がそれを……」
そこで少し下を向き、僅かに思考を走らせている素振りを見せるクリス様。しかし、意を決した表情で顔を上げた。
「……他でもない、ナビリス殿には正直にあろうと思う」
え、何で最初からそこまで信頼を?
……初対面の筈だ。どういう事なのかな?
「勇者は姉妹で召喚されている。姉の方は剣神ソルダート様がついていて、妹の方は私が指導に当たる事になった」
勇者が姉妹……、確かにそれっぽい噂はあったような……無かったような。それにしてもソルダート様が直々にとなると……やはりそこは勇者か。
でも妹はこの人が? 確かにクリス様も強いけど、ガンディス様やソルダート様程のレベルには見えない。となると……勇者の資質で分けられたと見るべきなのかな。姉は見込みが大いに有り、妹は……丁寧な指導が必要とみなされたという事か。憶測だけどね。
「そしてその妹、勇者ユリの世話役として、オリヴィアという獣人が付いている」
「!!?」
「え!? お姉ちゃん!?」
え……ここでその名前が!?
「そしてそれは今回の件に大きく関係している。お礼と謝罪の意味も込めて、この話をさせて貰おう」
一体どういう……。
ついにこの話が……長かった。
最初に出てからもう150話以上過ぎてしまいました、手腕不足が否めない、精進せねば。
そしてもしよろしければ、もしよろしければ! つい最近最新話に追いついたよーという方、このページの下↓にスクロールした先に【評価】のボタンがございますので、ポチポチっとして頂ければ来週以降の大きな励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。
毎度の事ながら評価ポイントのボタン、なーぜか一番新しい更新ページの下にしかないんですよね。不思議です。
では来週もよろしくお願いします!
(`・ω・´)ゝビシッ!