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第139話 二人の決意

「おかえりなさいませ、ご主人様」

「遅くなってゴメン。結局ニーナさんの所に依頼する事になったよ」

「ニーナさんですか、それなら安心ですね! 良かったです」


 ひとまず店に帰還して、そこからすぐにダギルさんの所へ行かなくちゃ。


 サリファさんには今日は遅くまで護衛してくれた事に感謝しつつ、簡単な伝言だけ済ませて先に帰って貰った。独自のルートで情報を先行出来るかもしれないからね。


 おっと、その前に。


「暫く店には来れないかもしれない。期限未定の臨時休業の看板を出して貰えるかな?」

「分かりました!」

「カミラは暫く来なくても良い様な片付けをサッと頼む」

「……了承」


 どうあってもここには暫く戻れないだろう。簡単でいいか片付けおかないと。後は諸々の連絡……これは休業の看板と一緒に手紙でぶら下げておくか。伝言するにしてもややこしいからね。迷惑の謝罪は……また後日だね、仕方ない。あとミールはカミラの頭の上に載っている。


「出来ました!」

「……こっちも、終了」

「キュゥ!」

「よし、僕の手紙も今書けたからそのまま出ようか。ひとまずプラムの迎えと……お願いだ」

「お願いですか?」

「だね、ダギルさんしかいないから」


 首を傾げるレミリア。行けば分かるんだから説明してる時間も勿体無い。出発は早朝だ、少しでも早く休まないと。




 ______





「と、言う訳で……みんなを預かって貰えると助かるのですが」

「え、それって私やレミリアさんやカミラちゃんが……ダギルさんにお世話になるって事?」

「もし頼めるなら……だけどね」

「まぁそう言う事情ならこっちは全然問題ない。それどころか寧ろこっちも助かるから預かるのは別に良いんだけどよ」

「良くありません!」


 ダギルさんの所に辿り着いて、そしてそのまま事情を説明。掻い摘んで、コーラルカーンへの身内関係の急用という事にさせて貰った。


 ダギルさんは予想通り快諾してくれそう、だったけど……。


「良くないかな、やっぱりここにも護衛を……」

「違います! それも大切かもしれませんが、私は納得出来ません!」

「え、納得?」

「私も……私も連れて行って下さい!」


 少し目に涙を溜めながらも、強い目で訴えかけるレミリア。確かに気持ちは分かるけど……危険が伴う以上は流石にリスクを増やしたくはない。


 気持ちは痛いほど分かるけどね……。まだお姉さんの存在の確実性すら担保されていないのに、それに僕一人の護衛と違ってレミリアもとなると話が変わってくるのもある。


「一応、ここの護衛ならいらねぇぞ? これでも元B級冒険者だ」

「えぇ……、B級って凄いですね。……あ」

「あ? 何なんだよ?」

「沈黙の狩人のダリアさんって……」

「あー、うちの弟だな。寡黙なやつだろ?」

「そうですね。その弟さんに、今回護衛を依頼しておりまして」

「マジかよ、世間は狭いっつーかなんつーか。まぁ奴らは優秀な小隊(クラン)だ、それなら道中は安心だな」

「なら私がいても大丈夫ですか?」

「いや、それでも……」

「お願いします! お願いします!」


 真剣な目で訴えかけるレミリア、そして……何度もお願いしますとお辞儀される。あぁ……なんか最初を思い出すな。今回は特にダメだと分かっていても……弱いんだよなぁ。こういうの。


「ダギルさん、その小隊(クラン)とご主人様がいれば、私がそこに同行できると思いますか?」

「可能だ、あそこには凄腕のレンジャーがいるからな。それにニーナもルルリも属性魔法(エレメント)の能力者。特に問題ないだろう」

「ありがとうございます! ご主人様……お願いです……」


 そして僕の服の裾を掴んで離さないレミリア。これは……きっと連れて行っても置いて行っても、どっちにも後悔が生まれるパターンだ。危険は薄いとダギルさんは言い切った。ならどうせ後悔するなら……行動した後悔の方がきっと良いよね。


「仕方ない、でも僕の側を離れちゃダメだからね」

「分かりました! ありがとうございます、ご主人様。わがまま言ってゴメンなさい、私……私……」

「いや、僕も配慮に欠けていたよ。一緒に行こう。もう……僕も腹を括った。必ず守るから、大丈夫」

「ありがとう……ございます」


 完全に泣き崩れてしまったレミリア。

 そりゃ……そうだよね。ずっと我慢していたのに。


 さぁ、大変なのはこれからだ。

 辿り着くのも、辿り着いても……戦場だ。











【二章あとがき】

いつも本作をお読み頂きありがとうございます。二章ではかなり見苦しい所もお見せしつつ、皆様に支えられながら何とかこの区切りの段階まで辿り着く事が出来ました。


家族の団欒やそれぞれの思いや考え。その中での小さな成長に触れ、主人公が温かみを噛み締めつつも少しずつ成長していく様を表現したかったのですが、それだけの事なのに本当に難しく、力の無さを痛感しました。まだまだです。


明日からは第三章となり、少しピリッとした話を展開していこうと思います。始めてしまうと少しかかりそうな話だったので機を伺っていたのですが、伺い過ぎていた様にも思います、ぐぬぬ難しい……。


まだまだ未熟な作者ですが、何とか昨日よりも少しでも良くなる様、努めていく所存でございます。


ですので明日からも是非、本作をよろしくお願いします。


もしまだ作品の評価をしてないよー、という方や、それ何なの? という方がおられましたら、最新の投稿ページの下↓にスクロールして貰うと【作品評価】がありますので、そこでポチポチッとして頂けると本作を評価できます。頂いたポイントはそのまま作者のエネルギーとなりますので、是非よろしくお願いします!


というか何故か最新ページの下にしかないから見つけ難いんですよね、この評価ボタン。何故なんでしょう。


さて、それでは明日からもよろしくお願いします。頑張ります٩( 'ω' )و おー!


【生くっぱ】

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