表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/190

第130話 ギルドへの報告

「あの……モンスターテイムを申請したいんですけど……」

「あら院長さん? え? テイム?」

「そうなんですマーベルさん……」

「誰が?」

「僕が」

「何を?」

「ウィングラビットを」

「え、ウィングラビット? あんな厄介なのを?」

「えぇ、何故か患者として現れまして」

「へー、便秘だったんだその子」

「そうじゃなくて」

「キュゥ?」


 その日の仕事終わり。いつもより少しだけ早い目に切り上げて、早く申請してしまうべく先にギルドを目指した。遅くなるとプラムに悪いからね。


「にしても相変わらず突拍子もない事を……まぁでも院長さんの事だからまた詳細は秘密なのよね?」

「えぇ、その……はい」

「とにかくテイムに成功したと、まぁそこから先はもう聞かないでおくわね」

「助かります」

「因みに危険性は?」

「無いですね、何かチェックする事ありますか?」

「本当は確認も危険だから担当がいるんだけど、院長さんがそう言うなら私がするわよ?」

「良いんですか?」

「可愛くないわね、その台詞禁止で」

「ちょっ……」


 何言ってるのこの人。


「ほら、おいで?」

「キュ?」

「いいよ、ほら行きな」

「キュゥ!」

「キャッ!? えっ、モコモコフワフワ……」

「キュキュー!」

「あっ……ちょっと、何この子……超絶可愛い」


 童顔なマーベルさんが小動物と戯れていると、本当に幼く見えるな……胸が大きいから余計違和感を覚える。というかミールが色々引っ張っていて視界がまずい事に。取り敢えず右を向いておこう。


「ど、どうでしょうか」

「どこ向いて話してるの院長さん」

「いや、その、ミールが……」

「ふーん、ミールちゃんって言うのね! それで申請しても?」

「お願いします」

「どこ向いてるのよ、こっち見なさいよ」

「いや、でも……」


 恐る恐るマーベルさんの方を向くと、既にミールは大人しく膝の上に乗って座っていた。この光景も可愛いな……。


「何を期待していたのかしら?」

「キュゥ?」

「……いえ、何でも」

「あら、赤くなって……」

「ませんから! 申請は?」

「そうだったわね、えっと……確かこの辺に用紙が……あった」

「ここに名前ですか?」

「院長さん、軍は退役してるのよね?」

「そうですね」

「ならギルドに登録しておかない? その方が手続き早いんだけど」

「ギルドカードを持つと色々厄介ですし、ギルドとして活動する気は無いんで」

「そう、カードがあった方が便利なのに……」

「カードは開業時に商会で。向こうだと項目が能力ではなく、職種になりますから」

「あらそうなのね。まっ、院長さんの場合それも仕方ないわね。ならこの用紙とこの用紙と……あとは……」


 出してもらった用紙に機械的に記入を済ませていく。聞いた通り少し多い気がするけど、仕方ないよね。


「最後に……」

「ミールです」

「ミールちゃん! ここにハンコよろしく」

「キュ?」

「手を、ポンとね!」

「キュゥ!」


 ミールが朱肉に手をつけて、そのまま用紙に手形を押した。


「オッケーお疲れ様! これでこのバッチを渡せるから……ここのスカーフにつけるわね!」

「よろしくお願いします」


 ふぅ、何とか申請も済んだな。次はプラムのお迎えか、どんな反応するだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ