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第127話 小さな急患

 出来上がった畑に、今回はジャガイモと玉ねぎと人参、それと前にもらった分で育てた植木鉢勢の植え直しで、引き続きトマト、それに茄子とピーマンが。


 これだけあると立派に畑だよね。その上きっとまたすぐに大きくなるんだよコレ。本当楽しみだ。


「いらっしゃい……どうしたんですか?」

「お姉ちゃん! この子! ねぇ僕どうすれば……!」

「……!? えっと……ご主人様に聞いてみるので少し待っていてください」

「お願い! 助けてよ!」

「……落ち着いて、待て」

「う、うん……」


 ……? 騒がしいけど、いつもと雰囲気が……?


「ご、ご主人様! 近所の子が!」

「何かあったの!?」

「いえ、弱った小動物を……」

「え、小動物? 人じゃなくて?」

「はい、人ではありません」


 びっくりした、近所の子に何かあったのかと思った……いや、でも解決はしてないね。


「それがどうしたの?」

「なんか……弱ってる所を見つけてしまったらしくてどうしたらいいか分からないと駆け込んでき……あっ!」

「ねぇ先生! 先生は医者なんだろ!?」


 いや、医者ではないかな……。


「こいつ弱ってるけど……どうしたら……」

「僕は医者ではないからね、まぁ預かってみ……ん? まさかその……?」

「うん、こいつ」


 ……魔物だな。やれやれ、どこから迷い込んだんだ。確か……ウィングラビットだったかな。耳が羽になった素早いウサギだね。戦闘力は低いけど、めちゃくちゃ速いから捕獲難易度が高い、変な魔物だ。


「僕が預かろう、でもこいつは魔物だ」

「えっ!? そうなの!?」

「だからあまり深くは関わるなよ?」

「うっ……分かった。魔物には近づくなって親にも言われてるから……そしたら後はよろしく」

「仕方ない、預かろう」


 街に出た魔物を放置する訳にもいかないし、ましてや子供に持たせてるのもマズい。預かった時点で近所の少年にはお帰り頂いた。やれやれ、どうしたものかな……。


「どうするんですか? ご主人様」

「うーん、預かったから殺すのも忍びないな……」


 魔物なんて遠征があればその時に幾度となく殺しあってきた。今更感情移入する事もない……筈なんだけど。こんな出会い方をしたのは初めてだからな……。


「とりあえず様子を見るか」


 預かったウィングラビットをベッドに寝かせてみる。見ればピンクの綺麗な耳をしている。というか羽かな? どっちもか、羽耳だね。


「……毒か」


 どうやら傷によるダメージではないらしい。麻痺性の毒を貰っている。冒険者に狙われた所を何とか逃げ出したものの……って所かな?


 こいつを捕まえる時は罠を使うのが常套手段だからね、毒もあり得る。せっかくだから僕の能力が魔物に有効か試させて貰うとするか。

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