第126話 畑を作ろう
「まず土を掘るぞー!」
「「「おー!」」」
横8メートル、縦に3メートル程に枠を決めて、その中で三本のラインを決めて土を掘り起こす。
60センチ程の幅で横に7メートル、これを3本。
間に歩ける幅を残したいので60センチの足場を含んで縦に3メートル。
「これ……結構大変だね……」
「……まだまだ、これから」
「うぅ、分かってるよー」
「終わったら反対から手伝いますね!」
せっせと掘り進めるレミリアとカミラ。見てる感じだとプラムはやや苦戦がちかな。こういうのはやはりレミリアが一番早い。さっと自分の担当を終えてプラムの場所を逆側から手伝い始めている。
カミラはマーベルさんに貰った土の準備を進めてくれている、流石抜かりない。
因みに僕は監督だから手持ち無沙汰で準備を手伝いつつ筋トレをしている。
「終わったー! 手がいたーい!」
「終わったら次は土入れですね!」
「……既に、待機」
「これとこれを混ぜるの?」
「そうです! そのまま使うと足りないし、この土はとても強いのでこれくらいでも問題ないのです!」
「なら先に崩さないとね、さっき掘った分」
「ですね! ブロックになっちゃってます」
マーベルさんに貰った土だけだとやや少ないので、この土とさっき掘った時のつちを混ぜる必要がある。その為にはさっき掘り返した土が細かくなっている必要が。それを砕くのが次のステップ。
「うぅ、砕くのも大変だね」
「でも一つ一つ大切なんですよ!」
「……基本が、大事」
「だね! それは私も最近思ってるよ!」
そして砕かれた土は、貰った土と丁寧にまぜられ、最強の土が完成する。その混合土が満遍なく混ざったのを確認した所で掘った穴に戻し、埋めていく。
「私もう腕が痛いよ……」
「……これも、修行」
「うっ、確かにちょっと運動不足だったかなー。お仕事も始めたから体力つけないと」
「ふふ、良い運動ですね!」
「ねぇレミリアさん、今はこれ何してるんだっけ?」
「えっと……ウネ作りでしたっけ?」
「……確か、そう」
そして全ての土が掘った穴に行き渡った所で、周りに残っていた掘り返した時の土と爪付きの鍬でならして3本の肥沃なウネが完成する。
「出来ました!」
「あーもう腕がいたーい!」
「……野菜の、ベッド」
カミラはまた上手い事言うな。ウネの部分だけ少し盛り上がっている感じだから、ここで野菜が寝泊まりする感じだね。
うーん、見た感じは実に畑っぽい。
素人が簡単に始められる最強の土のお陰だね。