8月6日
「うーん…!」
私は重い体をゆっくり起こし、大きく伸びをする。
瞼を擦り時計を見ると、時計の針は朝の7時を指していた。
「ふぅ…ワクワクしすぎて結局あんまり眠れなかったな…」
大きなあくびをしながらベッドを降り、勢いよくカーテンを開ける。すると、眩しく暖かな陽光が一気に部屋に差し込んできた。
私は光を浴びながら大きく深呼吸する。
「さ、今日は楽しむぞ!!」
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階段を降りリビングに向かうと、そこにはマサ兄とユキコおばさん、そしてタケヒコおじさんの姿があった。
「おはようございます…あれ?ハル姉は?」
「ユメちゃんおはよう。ハル姉、なんだか昨日の夜から部屋に篭りっきりでさ…今書いてる小説のいい展開が思いついたんだって」
「へー、そっか…」
「ユメちゃん、確か今日は奥ノ森に行くのよね!あそこはいいところだけど危ないところもいくつかあるから怪我しないように気をつけるのよ」
「はい」
「それじゃあご飯にしようか。いただきます!」
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「森っていうくらいだから…長ズボンの方がいいよね…?」
朝ご飯を食べた後、私は持ってきていた着替えの服を漁っていた。
「ま、これでいっか…」
迷った末、白いtシャツにジーンズを履き私は一階に降りた。
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「それじゃあ行ってきます!」
「気をつけてね、ユメちゃん」
「うん、分かってるよ!」
マサ兄に見送られ、私は奥原村へと向かった。
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奥原村の溜まり場へ行くと、そこにはすでにみんなの姿があった。
「お、ユメちゃん来たな!これで全員だ!」
「ヨシキ君は今日も"病院"?」
「あぁ…彼女さん、病気がかなり悪化しちゃってるみたいでさ…。少しでも近くにいてあげたいって」
「病院って?」
私はヨシキ君のことが気になり、ゲンキ君に問いかける。
「あぁ、ユメちゃんは知らなかったな!ヨシキ君、同い年の彼女さんがいるんだけど彼女さん、心臓の病気でさ…。ヨシキ君がいないのは彼女さんのお見舞いに隣町まで行ってるからなんだ」
「心臓の病気…そうだったんだ…」
「ヨシキ君、優しいから…なるべく彼女さんを励ましたいって毎日病院に通ってるのよ…」
「毎日…そっか…」
「…なんだかしんみりしちゃったな!さ、今日はせっかくの奥ノ森探検だ!みんな元気出して楽しんで行こうぜ!」
「だな!」
「えぇ、楽しみましょ!」
「…うん!」
「よーし、それじゃあ奥ノ森に出発だ!!」
ゲンキ君の掛け声に合わせ、私たちはおー!と声を上げた。
はじめての仲間との時間。それは、私にとってとても楽しく、嬉しく、幸せな時間だった。
続く。
投稿は不定期で行います。
今回は短めです!