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5 M1151装甲ハンヴィー

俺はここ数日せっせと変化させている。


1日に2回、白薔薇の乙女騎士団達の防具をミスリル製に。


ゲーム的にはモンスターを倒すとレベルアップするのだが、スキルを使っていてもレベルアップするみたいだ。


気が付けばレベルが10まで上り、当然ステータスも上がるので魔力を使う余裕ができた。


ミスリル製の防具は予備を含めて10セット変化させた、ヘルムにグローブ、ブーツに盾込みのセットだった。


団員達の武器も全部ミスリル製に変化させた、ミスリル自体を見たので出来るようになったからだ。


そして今は温泉とシャワー室を変化させている。


「アルさん、この空いてる部屋を使っていいの?」


「はい、颯太殿、構いません、ただ風呂はわかりますが、シャワー室とは?」


「まあ、見てから教えます」


この騎士団の建物が女性特有の匂いに気付いたのか、実はこの世界、風呂は滅多にないらしい、

みんな水浴びか、お湯でタオルを使って拭くぐらいと聞いた。


ところが温泉は知ってるみたいだ、ただ、王都には無いと言われた。


ということで、俺が利用していた若干緩めの温泉、水がヌルヌルして肌がスベスベになる温泉だ。


記憶を元に変化させる、が、やはり時間が掛かる。


10分後だんだん変化していく、最近この変化する時の体の熱さにたまらまくなってきた。


活性化するエネルギーと言うか、魔力が燃えていると言うか、文系だった俺が知らなかった感覚だ。


きたきたきた光ってきた、もうちょっと、もうちょっと、よし、OKだ。


そして治まる、変化、完了。


「出来たよ」


俺は団員達に見せる。


「これが温泉ですか?」


「そう、知ってるでしょ?」


「いえ、私が知ってるのは岩場に温泉が溜まった所とか、川砂利を掘った温泉です」


ああ、こんなちゃんと作ってある施設じゃないのか。


「シャワー室はそれですか?」


「そう、それ」


俺が変化させたのは、洗い場で座って使う場所を4ヵ所、立ったままで使うのが2ヵ所だった。


「これを見て、温度が20度から40度になったるから調整してみて」


実際に自分でやって見せる。


「おー、温かい」


団員達が驚いている。


「温泉に入る前に、ここで体を洗って下さい」


俺はそう言いながらバスタオルと体を洗うタオルを渡した。


「それで、こちらがボディソープと髪を洗うシャンプーとリンスです」


とボトルを山の様に渡す。


「これは何でしょう?」


「ボディソープは体を洗うものです、シャンプーとリンスは順番に髪の毛に使って下さい」


全部雑な石鹸を変化させた物だ。


「多分体も髪もより綺麗になりますよ」


団員達はそれを聞いて喜んでいる。


女性達だもんな、そういうのしとかないとね。


俺はリリちゃんを見て。


「リリちゃん、ここの水は温泉だから1日に1回、このブラシで床を洗ってくれる」


「わかりました」


俺はそのままシルフィーさんの私邸に行って、そちらも温泉とシャワー室に変化する事にした。


▽  ▽  ▽  ▽


「颯太殿、明日我が白薔薇の乙女騎士団は帝都郊外で戦闘練習をする事になった」


「はい」


俺はシルフィーに呼ばれていた。


「そ、それでだな、颯太殿にも一緒に来てもらう事にした」


「あのー、俺戦闘できませんよ?」


「構わん、戦闘は騎士団が行う」


「では、なんで俺は行くんでしょうか?」


「ぼそぼそ」


「シルフィーさん、良く聞こえませんが」


「いいのじゃ、どちらにせよ一緒に行くのじゃ」


おい、幼児化してないか?


「俺、馬に乗れませんよ?」


「か、構わん、馬車に乗せて行く」


馬車かあー、ガタガタしそうだな、あ。


「シルフィーさん、馬車を貸して下さい」


「構わんが、どうするのだ?」


「変化させます」


「どんな感じだ」


「それは明日見て下さい、なんか楽しくなりそうだ」


俺はウキウキしながら、馬車の車庫に向かった。


「セバス、颯太殿が物凄く楽しそうだぞ」


「そうですね、お嬢様」


「明日はセバスも連れて行く、武具や防具も持ってこい」


「お嬢様、私はすでに執事でございますが」


「いいのだ、念には念を入れよ」


「了解いたしました、では失礼いたします」


セバスが出ていく。


「私は颯太殿と一緒に行きたいのじゃ、絶対に」


颯太が来てから乙女になっているシルフィーさんであった。


▽  ▽  ▽  ▽


ブルンブルンブルンブルン


「颯太殿、そ、それはなんだ?」


「あ、シルフィーさん、おはようー」


シルフィーにセバス、白薔薇の乙女騎士団がそれをポカーンと見ている。


「これね、M1151 装甲ハンヴィーて言うんだよ」


「だから何なんだ?」


「これはアメリカ軍の軍用車両なんだ、映画で見たんだよね、他にも2台変化させちゃったよ」


「他にもあるのか?」


「うん、M1097 HMMWV AvengerとM1152」


「それは似たようなものか?」


「そうだね」


「その上に付いてるのは?」


「ブローニングM2重機関銃」


「武器あのか?」


「そうだね、使った事ないけどね」


「そうか、そ、それじゃ行くぞ」


「お嬢様、私はそれに乗ればいいのでしょうか?」


「・・・いや、セバスは私の馬に乗れ、私は颯太殿の物に乗ってみよう」


「お嬢様」


「いいのだ、多分そちらの方が安心であろう」


「じゃあ、シルフィーさん乗って」


「あいわかった」


颯太殿と一緒だ、シルフィーはドキドキしながら中に入る。


「それでは、颯太殿行きましょう」


「はーい、出発進行!」


シルフィーを乗せたM1151 装甲ハンヴィーを先頭に出ていく。


帝都の街道に入ると住民は啞然と見ている。


「シルフィーさん、みんな驚いているね」


「そ、そうだな」


「いま50kmで走ってるけどこんなもんでいいかな、もっと飛ばす?」


「いや、いいこれで」


「それでこの後はどうするの?」


「帝都郊外の東部にモンスターが出る森がある、レベルはそれほど高くない、だから颯太殿が変化させた武具や防具を試す」


「ああ、そうなんだ」


「だから颯太殿は大丈夫だ」


「うん、俺はそのままこれに乗ってるよ」


「そうだな」


できれば颯太殿とずっと乗っていたいシルフィーだった。

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