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1 プロローグ

俺の名は棚倉颯太28歳。


小学校から高校の学校にテストやテキストなどを売ってる会社の営業である。



その日は8月の暑い日で、いつも営業で周ってる宝有高校の英語教師、白河先生にアポを取って訪問していた。


「白河先生、このテキスト結構人気があるんですよ、良かったらどうですか?」


「えー、いつも人気があるって言うけど、君って調子がいいだけで軽いよね」


白河先生は25歳の童顔な女性、ただし胸が大きい。童顔で巨乳アニメのヒロインみたいだ。


俺は軽めのオタクなため、白河先生が大好きだ。


職員室には夏休みのためか、職員も少ない。


体育教師の三島先生と教頭の南郷先生、他には5人ほど高校生がいた。


「悪いけど、今回は要らないわ」


「そんな白河先生ー。それじゃあサンプル、ドリルのサンプルを置いて行きますから、後で良かったら感想で・・・」


ガタガタガタガタ


ん、地震か?


ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ


「きゃあー」


「じ、地震?」


「みんな落ち着けー、倒れないようにしろ!」


三島先生や高校生が騒いでいる。


振動し職員室の置いてあった物が倒れ始める。


そしていきなり室内が光り始めた、そして一気に何も見えなくなった。


その瞬間俺も何もわからなくなった。


▽  ▽  ▽  ▽


「おおおーーー、成功だ」


目を覚ますとそこは職員室ではなく、見たこともない中世ヨーロッパのような世界になっていた。


いや見たこともない、とは嘘だ、まるで俺が見たアニメやゲームの世界だ。


俺や、白河先生、高校生や教頭が床に座っている。


その正面には王様や王女、騎士や宰相、賢者や宮廷魔法使いみたいな人達がいる。


あれ、なんで俺わかるんだろう、やはりアニメの影響か。


「余はヤストリア帝国、帝王アルムファルト7世である。その方達には余の敵であるグリムハルト魔王国と勇者となって戦ってほしい」


おーーアニメみたいな世界きたー、俺、勇者ですか、すっげーラッキー。


「帝王陛下、召喚した勇者は8人です、しかしここには9人おります」


「ん、賢者アルファー、多いのはマズいのか?」


「はい、勇者以外の者が混じっています」


「そうか、それではお前にまかせる」


「御意」


賢者と呼ばれている男が俺達に向ける。


「お前達、この宝玉に1人1人手を置け」


と透明な20cm程の大きさの玉を右手に持ちだした。


「なんだと!一方的に対応出来るか!ブチ倒すぞ!それよりも、これはなんだ、俺を解放しろ!」


おう、さすが脳筋三島凄いな。しかし自分だけかい。


騎士や魔法使いが三島の前に出る。


「よい、解放とはなんだ」


「俺達は単なる一般人だ、帝国や魔王国など知らん、日本に戻せ」


「日本?それはお前達の祖国か」


「そうだ」


「それなら無理だな、ここはお前達の祖国などない。違う世界だ」


「お前は狂っているのか、それともドッキリカメラみたいに騙しているのだろう」


「私は賢者アルファー、我が秘術を使いお前達勇者をこの世界に召喚した。そして元の世界に戻す魔法はない、わかったか」


「そんなことがあるか、魔法など見たこともない」


賢者アルファーがいきなり目の前で魔法をかける


「ライト」


右手の上に眩い光が出た。


「これが魔法だ、了解したか」


それを見た三島が黙る。


「それでは改めて確認する」


最初に指定されたのは白河先生だった。


「こい」


白河先生は素直に手を押す。


「ん、勇者だ。次」


その次はバーコード頭の南郷教頭。


「ん、勇者だ。次」


次々と確認していく。


残りは三島と俺だ。


「次だ」


俺だった。素直に手を押す。


「お前が偽物だ、勇者ではない、侍だ」


え、侍?


俺が呆然とする間に三島も確認されていた。


「ん、勇者だ」


確認が終わり、賢者アルファーが帝王陛下に報告する。


「あの者が偽物でした、多分召喚する範囲にいたのでしょう」


「そうか、それでは勇者には賢者が対応するように」


「御意」


「偽物はシルフィー、お前が対応しろ」


「御意」


女性の騎士が帝王に答える。


ツカツカと俺に近づき。


「おい、名前は?」


「棚倉颯太です」


「そうか、こちらについてこい」


俺はそのまま女騎士に連れて行かれた。


▽  ▽  ▽  ▽


賢者アルファーは勇者の8人を別室に連れていった。


「君たちには勇者としての基本的な事を教える、その後は実践だ」


「実践って何をするのかね?、生徒には無茶苦茶な事はさせないでいただきたい」


ブルブルしながら教頭が声をかける。


「戦わなければ死ぬだけだよ」


賢者アルファーは無表情で答える。


「先ずはこのカードに指を切って血を付けろ」


8人の前にカードとナイフを置く。


「やりなさい」


「そんなこと出来るか!」


三島が声をあげる。


「やりなさい」


冷徹な賢者の態度を見て、一人一人黙ってやり始める。


「君たちの血を吸ったカードは君の物だ、無くさない様に」


血を吸ったカードには、名前、年齢、職業、レベル、スキル、ステータスが載っている。


「この世界の一般人を1とすると勇者は1000となります、一般人から刺されてもケガも出来ませんが、勇者が殴ったら一般人はまず死ぬでしょう、わかりましたか」


「・・・・・・」


白河先生は自分のカードを見ていた。


職業が勇者(聖女)ステータスは殆どが1000前後だった。スキルが聖魔法と回復魔法と補助魔法。


みんなも自分のカードを見ている。


福島君、郡山さん、相馬君、会津さん、二本松君、なぜか自分のカードを見て目が変わってる気がした。


そして、同じように賢者アルファーも無表情なはずなのに狂気が籠っていた、それは誰も気が付かなかった。


▽  ▽  ▽  ▽


一方、女騎士に連れて行かれた颯太は茫然自失から既に復帰していた。


自分が勇者でない事を聞き、呆然として歩いていたが、今は自分の前を歩いている女性のヒップを見ていた。


大きくもなく、小さくもないそれでいてキュッとしているヒップは颯太のストライクゾーンだった。


女騎士シルフィーは不思議な感覚に気が付いていたが、それがなんなのか分からないため、気持ちが悪いのか気持ちがいいのか分からなかった。


女騎士は颯太を連れて別室に入った。


そこに座らせ、彼女はまず謝った。


「この度は申し訳なかった。本来は勇者以外は召喚しないんだ、賢者アルファーのかわりに謝る」


颯太はどうなるのか分からず、ようやく安心した。


「しかし、元の世界には戻せないんだ。すまないがこの世界で生きて欲しい」


女騎士は颯太にカードとナイフを渡した。


「指を切って、そのカードに血を付けてくれ」


颯太はすんなりと指を切って血を付ける、するとカードが血を吸う。


「それでお前のカードとなる」


颯太はそのカードを見た。


名前、年齢、職業、レベル、スキル、ステータスが載っている。


職業が侍、スキルが変化、補助魔法、ステータスが300前後だが魔力のみ3000を超えている。


「あのお、騎士さん」


「ああ、シルフィーでいいぞ」


「では、シルフィーさん、職業が侍となっているんですが」


「そうだな、その侍と言う職業自体がこの世界にはない」


「ないんですか、俺の世界の昔にはあったんですが」


「あったのか、それは何をする職業だ?」


「ええとですね、刀と言う剣で戦う戦士みたいな感じですかね」


「ほう、私は騎士だが似たようなものか?」


「そうですね、大名がいで、その部下が武士ですね、その武士の頭が侍大将です」


「なるほど、よくわからんが戦うのだな」


「まあそうですね、それとスキルに変化とあるんですが」


「それも聞いたことはないな、どういう意味だ」


「例えば真っ直ぐ行こうとして、すぐに横に行くとか」


「そらが変化か?」


「そうですね、後は真っ直ぐなボールをカーブにするとか」


「・・・いや、なにを言ってるか、わからん」


「そうですよね」


「それで颯太殿、あなたはどうする?」


「どうする、と言われても。わかりません」


颯太は単に勇者になれば美少女パーティと組んでハーレム王道をすればいいと思っていた。


ところが自分がモブだったとは・・・。


「わからないのであれば、そうだな、私はヤストリア帝国騎士であり、ルーゲルダード公爵の第7王女でもある」


おー王女様キター。


「お前が良ければ私の従者をやらないか」


「はあー、従者ですか」


そう言われても従者が何かが分からない、ただ美人の女騎士さんと一緒に行けるならばと颯太は思った。


「わかりました、お願いします」


それが異世界に転移したら従者になった瞬間だった。

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