中身はグロテスク
ヤイヤイヤー!アァー!!
ボクは綺麗なものが好きだ。
ボクは蝶が好きだった。
蝶は綺麗なものだと思っていた。
「君はとても綺麗だね」
「やめてよ、気味が悪い」
「肌はきめ細やかで髪はものすごく艶やか、美しいよ」
「僕はそんな人間じゃないよ」
「きっと中身も綺麗なんだろうね」
「…なに、言ってるの」
「ボクね、小さい頃に蝶を解剖した事があったんだ、すぐに後悔したよ…蝶は綺麗ではなかったんだ」
それは極めて醜かった。
「綺麗な蝶の中には綺麗なものが入っていると勘違いしていたのさ、中身はただのドロドロした汚い色の液体だった、ボクにはワケが分からなかったよ」
「ワケが分からないのはお前の方だろ」
「…君は違うよね?」
「何の話だ」
「君は蝶より美しい、だったら君の中身は醜い蝶なんか比べものにならないくらい綺麗なんだよね」
「違う、君は間違っている」
「間違っているのは君だよ」
「蝶より人間の贓物の方が醜いじゃないか」
「そりゃあ普通の人間はね?だから…違うんだってば、君は普通じゃないもの」
「僕は普通の人間だ」
「ボクにとっては君は非常に特別な存在なんだ、ねぇ、見せてよ」
「ちょっと…触らないでよ……もう君の言ってる事が理解できない!お前は頭がおかしいよ!!」
「へぇ…ボクがアタマおかしいんだ、変なコト言っちゃヤだよ、ボクにアタマおかしいって言う君の方が頭オカシイじゃないの!!」
「あれ、…」
僕の考えている事はやっぱりおかしかったかな
「なにこれ……気持ち悪い…」
やっぱり君も皆と同じなんだね
人間なんだね
だから!殺してあげる!!