プロローグ
書き始めてみたもののどういう方向に持っていこうかまだ、決めかねているところ
プロローグ
いつもと変わらない放課後。親友が唐突に語り始める。
「お前は才能って信じるか?」
「そんなものがあるんならお目にかかりたいね」
ぼくは親友と向き合って応える。
「オレは才能って信じてるんだ。みんな何かしらの才能を持っている。才能がないやつはいないんだ」
「じゃあ、お前は何の才能があるんだ?」
ぼくは聞く。話に興味を持ったわけじゃなく、ただの相槌として。
「オレはまだ見つけてないね。才能なんて無いって思ってるやつはまだ、見つけてないってだけの話だ」
「じゃあ、ぼくも見つけてないのかな」
「そのとおりさ」
「確かにその理論でいけば才能は存在することになるね」
「なんだ、ずいぶん納得いかなそうだな。成功する奴は努力している奴だって考えか?」
「そんなこと言ってないだろ。その主張は成功した人のエゴだとぼくは思ってるよ。最初に誰かが、自分には才能なんて無い。努力が実を結んだのだなんて言ったから、それが継承され続けているんだよ。才能があったから成功しましたなんて言えないだろ」
「確かにな。ってお前、才能なんて信じないんじゃないのか?」
「そうも言ってないだろ。才能があったらみてみたいって言っただけだよ」
「それは信じてないってことじゃないのか?」
「才能は見えないってことだよ」
「ひねくれものめ」
「否定はしないよ」
「オレは才能を信じてる。でも、まだ見つけてない。まだ短いとは言え、これまでの人生でもいろんなものに挑戦してきた。にも関らず見つけてない。これから見つけることができるのか?一生かかっても見つけられない可能性もある。才能があることに挑戦したとしても、それが才能だと気付かないこともあるかもしれない。だからオレは才能を積極的に探す。少しでも見つける可能性を上げるためにな」
「そう。せいぜい頑張れよ」
「お前はどうする?」
「ぼくは変わらないよ。今までどおり生きる。これからも。才能なんてあるだけ邪魔だよ。それしかできなくなるからね」
「ふん。カッコつけ野郎め。お前は万能だからそう言えるんだよ」
「ぼくが万能?」
「スポーツ万能、成績優秀だろ」
「ぼくが万能だっていうのなら、世の中には万能が満ち溢れているよ」
「俺みたいな凡人から見れば、お前も充分万能なんだよ」
今となっては遠い昔の記憶。