ミントガムは甘くない
まずい、終わらない。
DTM、いわゆるデスクトップミュージックが趣味の僕は、大学のサークルで発表する同人CDの
アレンジを任されていた。しかし、入稿まで明日と迫っているにもかかわらず
作業は未だに7割といったところまでしか進んでいなかった。
どうしよう、ここに突き当たってから2日間全く作業が進んでない。
このままだと確実に入稿に間に合わなくなる・・・・・・。
ミントガムを口に運ぶ、ガムを噛めば脳が活性化するとかなんとかいって、サークルの友達が
数日前にコンビニで大量のミントガムを買って置いていったのである。
正直気休め程度にしかならないが、なにもしないよりはましである。
その甲斐あってか、もう日も暮れる頃、なんとかあともう少しで
作業終了というところまでこぎつけた。なんとか明日の入稿には間に合いそうだ。
ふう、一息つくか。
ピリリリリッ♪
新しいガムと包装紙を紐解き、食べようと思った瞬間、僕の携帯が鳴り響いた。
電話はサークルの仲間からのものだった、僕はガムの包装紙をあけながら
スマートフォンと応答ボタンをタップした。
もしもしどうしたの? え、作業ならなんとか終わりそうだよ?
うん、明日には間に合うと思う。今日中? 入稿は明日だろ?
・・・・・・え? 今日?
口に運ぼうと思ったミントガムが、口元からポロリと床に落ちた――。
最近ミント系のガムを噛むことが多いので書いてみました。 ちなみに入稿などの言葉を使ってはいますが、そう言った知識は全くないので想像で書いています。