誰の足跡?
なんだかよくわかりませんwww
絵本を読むような感覚で読んで頂けたらと思っています。
柔らかい朝の日差しが差し込む森の中に、小さな足跡がありました。
足跡は森の奥まで続いていて、最後に大きな木の、根元の穴に消えていました。
足跡は最近森に来た“ニンゲン”の履いている履き物のような形をしていますが、それよりもとても小さなものでした。
弟うさぎのネイが足を合わせても、それでもまだ小さいほどの大きさでした。
好奇心いっぱいのネイは足跡の主が気になります。
学校に行ってもそわそわ。
先生に怒られてしまいました。
学校が終わったあと、様子がおかしいネイに、お姉さんうさぎのライはなにがあったのか尋ねました。
「ネイ、今日は本当にどうしたの? 様子がおかしかったようだけど」
ネイは、足跡のことを内緒にしておこうか迷いましたが、ライなら協力してくれるかも、と思い、話してみることにしました。
「あのね、足跡を見つけたの」
ネイが思い切って言うと、ライはいつものように優しく聞き返してくれました。
「足跡?」
「うん! 学校の奥の森に、小さな、ニンゲンさんみたいな足跡があったんだ」
「ニンゲン!?」
ニンゲンといえば、最近森に来て大きな首の長い動物達を従えて、沢山の木を持っていってしまう悪いやつです。
育ち盛りのネイが興味を持ってしまうと大変です。
「あのね、ネイ。ニンゲンさんはとても悪いものなの。近づいたらだめよ?」
「ニンゲンさんじゃない! ニンゲンさんの足跡より、もっともっと小さいもん!」
「でもね、ネイ、ニンゲンさんの子どもかもしれないでしょう?」
「そんなことないもん! 絶対ニンゲンさんじゃない!」
ネイはライに足跡のことを伝えたくて必死です。
あの足跡は、ニンゲンじゃない。
ネイは、ニンゲンを見たことはありませんでしたが、なんだか、そう確信していました。
「じゃあ、一緒に来てよ。ホントにニンゲンさんじゃないんだから!」
必死に訴えるネイを前に、ライはどうするべきなのか迷いました。
ニンゲンは危険だと、決して近づいてはならないと大人の動物たちが、集会で言っていたからです。
しかし、ライも足跡のことが気にならないわけではありませんでした。
ライも、他の子どもたちよりは年上だとはいえ、まだまだ子供です。
「じゃあ、本当にニンゲンさんの足跡じゃないかどうか、確かめに行こうか」
好奇心に負けたライは、ネイと一緒に、森の奥の足跡を見に行くことにしました。