#1 素直
穏やかな、いつもの教室。
チュンチュンと少しの小鳥の囀り。
「穏やかだなぁ…」
ふと、その言葉が自然に出ていた。
朝早くからの教室。
一番後ろの外側の席。
――――幸せ…。。
誰も居ない教室って何か不思議。
でもこれが私の日課。
だってもうすぐ――――…。
「ガラッ」
教室のドアが音をたて、開く。
来たっ。
「お、おはよっ、今日も早いな」
私の斜め前の席の彼。
彼の名は卯月 翼。
私の片思いの相手――――…
いつも部活終わって即教室に来る彼と二人っきりになりたくて
帰宅部の私が朝早起き、そして朝一に教室に来る理由。
「あ、うん、おはよ」
私は無愛想に答える。
そして彼を直視出来る訳も無く、フイっと外を見る。
『私の馬鹿ーっ…』
そう思っていた瞬間。
「外に何かあんの?」
フイっと彼が私の真横に居た…ううん、私の肩に顔を乗せ、私の視線に合わせ、外を見る様な素振り。
カァアアア…
一瞬にして私の顔と肩が赤く、熱くなる。
こんな表情見られたら私の気持ちがバレるっ…
フイっと彼の居る肩の真逆の方を向いた。
「ありゃ、外見んのやめんの?」
『そ、、そうじゃなくて…////』
心の中で思っていた。
でも何も言えない自分が居た。
「…うん、やめる。」
そう私の口が思っていない事を発して、
教室から出て、トイレへと向かう。
何故、私の口と足は正直じゃないんだろう…。
私の馬鹿馬鹿馬鹿――…っ。
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トイレから戻ってくるともう教室には皆が居る。
『もう二人っきりじゃないんだ…』
そう、こういう風にいつも二人っきりの時間は終わる。
素直じゃないんだ…何でだろ…。
そう思いつつ、皆が居てガヤガヤしている教室に入り、自分の席に座る。
「ふぅ…」
ついついのため息。
「みーさきっ…!」
後ろから聞きなれた声がした。
親友の新垣 美緒だ。
「あ…美緒。。」
そう言って手を振った瞬間。
美緒はいつもの様に私にじゃれた様に抱きつく。
「美咲ーっ!ぎゅー…っ」
最初は正直びっくりしたけど、
今はこれが日常っていうか。
何か幸せ。
温かいんだ…これが…。
「美緒…」
そう言った途端、美緒は美咲から離れる。
で、美咲の耳元で囁く。
「翼君とは何か進展あった…?」
またそれか。
美緒は噂とかが大好きな子。
良い子なのだけど悪い噂や良い噂何でもかんでも流すタイプだからたまにキズ。
「進展っていうか―…ちょっと話せたよ…?」
卯月君はモテる。
だからこれ位、噂になっても大丈夫だろう。
噂になったとしても皆、気にしない程度だと思う。
「そっか…!良かったじゃん!!」
美緒はニコっと満面の笑み。
「うんっ…良かった…!!」
私も思わずニコっと笑う。
すると美緒がまた耳元で囁く。
「今日、席替えの日だから…翼君と隣の席になれると良いねっ!」
…そういえば、今日は席替えの日。
別名決戦の日。
皆、好きな人の隣の席になるため必死。
…卯月君と隣の席になれると良いな…。。!
あ、でも隣の席になったら緊張し過ぎてヤバイかもっ…///
えへへ…///
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「では今から席替えのくじ引きをします、番号順から引いて下さい」
先生が教壇に立ち、いかにもくじ引きっぽい
くじ引きと大きな文字で書いた箱を持ち立っている。
順々にくじを引いていく――――…。
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…私の番だっ。。
ドキドキしながらくじを引く。
くじ引き箱に手を入れると沢山の紙が入っているのが分かる。
どれにしよう…。
これで私の一ヶ月の学校生活が左右するんだ…。
席替えは一ヶ月一回の制度。
これだっ…
感でとったこの一枚。
取り、自分の席に戻る。
四つ折りの紙。
中に席の番号が…。。。
何だろうこのドキドキ感。
「ガサガサ…」
ゆっくりゆっくり紙を開く。
『えい…っ!!』
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初投稿です^^//
多少の誤字・脱字・意味不発言・意味不明そのモノがあったとしても多少…見逃してやって下さい(笑)