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怪奇!知らない世界の人々  作者: ずび
第三話 遠隔透視
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3−終 騒がしい図書館

 小森の誘拐騒ぎから三日後の、日曜日の事である。

 杵柄高校の生徒達には、次の週からは期末テストと言う地獄が待っているのだが、そんな遊ぶ暇無しな状況下でも尚、待ち合わせして寄り集まるのは勉強会をする輩と相場が決まっている。そして大体の場合、勉強会を進んで執り行うメンバーは勉強が出来ない者で、誘われるのは一人でも自主的に勉強のできる成績優秀者だ。勉強出来ない者が出来る者に教わる、と言うのが通常の勉強会のスタイルと言って良いだろう。

 全体的に成績の宜しくない小森、何故か現代文と英語と物理学が極めて優秀だがそれ以外が壊滅している薫は前者。可もなく不可もなくそこそこの点を取る相川、高校最初の中間試験で全科目満点で文句無しに学年トップの成績を取った神部は後者になる。

 会場は図書館もしくはファミリーレストランである場合が多い。誰かの家と言うのも有り得るが、その場合は会場の提供を申し出る者が必要となる。先週同様に集まった薫、小森、相川、神部の面々は誰も自宅の一室を提供はしなかった。居候である、部屋が狭い、兄弟が五月蝿い、家が遠い等々、理由は様々である。

 待ち合わせ場所兼勉強会会場は妖山市の市立図書館であった。待ち合わせ時刻は十時丁度。


「……よし、十分前!」


 錆び付いた自転車の喧しく軋むブレーキ音を響かせながら、一台の自転車が図書館の駐輪場に突入した。

 九時五十分に図書館に辿り着いた薫は、満足げに鼻から息を抜いて自転車の鍵を閉める。

 期せずして叔父から自転車を借りれた事もあってか、予定より早めに着いてしまっていた。ちなみに、彼女がこの場所を訪れたのは始めてであった。

 方向音痴の筈の私が、一切迷わずにこの場に辿り着いたとすれば、他の三人はどんな顔をするだろう。

 薫はそれが今から楽しみで、顔をニヤつかせながら図書館の自動ドアの前に立った。




 彼女が真っ直ぐに図書館にたどり着けたのは、ひとえに遠隔透視能力を利用した事による。

 木曜日、保健室で屋上にいた男子学生の事を考えた時に瞼の裏に映ったのは、なんと屋上の状況だった。自分を助けたその男は授業時間中であったにもかかわらず相変わらず屋上で読書していた訳だが、薫に取ってそれは些細な事であった。彼女に取って大事なのは、さしたる苦痛無く遠隔透視を行なえたと言う事実である。

 八卦図と言う媒介を用いて、雲海の脳まで借りてやっと使えたその力を無理矢理に酷使した為か、彼女の超能力は飛躍的に成長し、ほぼ負担なく遠隔透視能力を使用する事が出来るようになっていたのだ。流石にその場の人間の考えを読んだり、長く使い続ける事は出来ないが、目的地の場所を知るには十分過ぎる。恐らくは開館時間からそこに居るであろう神部の所在を探ろうとすれば、必然的に図書館の位置も判明すると言う算段であり、それは見事に成功した。


「ふぃー……涼しー」


 薫は図書館に足を踏み入れ、開いた自動ドアから漏れるクーラーの冷風が、陽光に晒していた身体を冷ましてゆく快感に目を細めつつ、周りに目を配る。涼しい館内の奥の文庫本コーナーの脇の四人掛けのテーブルには、薫が透視した通り、既に神部が本を読んでいた。テスト勉強が完璧な神部は既に期末試験に備えた勉強を終えていた。恐らくは今回も全科目で100点を取れるのであろう。


「おはよ、祥子(しょうこ)ちゃん」


 声を掛けられた神部祥子は、本から目を離して顔を上げ、目の前に立つ小柄なポニーテールの少女が誰か気づき、手から文庫本を取り落とす。背表紙がコツ、と言う小さな音を立て、半ばまで読まれていた小説は閉じられた。

 普段から鋭い目つきの神部はそれを緩和させ、驚愕のあまり目と口を開き、そこに居るのが本当に薫であるかを一瞬だけ疑ってしまった。それだけ薫が待ち合わせ時間に遅刻しなかった事に驚愕しているらしかった。普段冷静な彼女のその呆気にとられた顔をみて、薫はこぼれる笑みを隠せない。しかしさりげない振る舞いを心がけ、まるで自分が遅刻しないのが当然とばかりに神部の前に腰掛ける。

 神部はたっぷり二十秒は固まり、我に返った時には薫は既に机の上に勉強道具を広げ始めていた。


「き、君が時間通りに現れるとは……ここに来た事は無いと言っていただろう?」

「ないよ? ふふ、でも、ま……私も成長しているだよ神部祥子君っ」


 薫は得意げに親指を立ててみせた。

 神部はずり落ちた眼鏡の位置を戻しながら、取り落とした文庫本をもう一度取り上げる。読んでいた場所が何ページだったのか分からなくなってしまったので、神部は諦めて本を閉じ、薫同様に勉強道具を取り出す。


「あ、祥子ちゃん。化学で分からない所があるんだけど」


 恐らくは分からない箇所を聞きたいが為に私を誘ったのだろう、と神部の方も予想はしていた。しかし来て早々その用件を口にするのは、些か遠慮というものを欠き過ぎていないだろうか。神部は呆れるが、薫の困ったような顔を見ると、どうにも無下に断れそうにはない。この天然甘え上手め。そして、甘やかしめ。と内心で薫と自分を戒めながらも、神部は薫のノートを覗き込む。

 所々が虫食い状態のノートを見て、神部が額に皺を刻み込む。恐らく授業中に居眠りしてしまったからなのだろう。これは流石に叱るべきか、と背筋を立てた神部の言葉は、新たな来人に阻まれる。


「……嘘だ」


 第一声が挨拶ではなかったそのボブカットの少女は相川であった。薫を見て、先程の神部同様、ハニワのような間抜けな顔を薫に見せる。その相川の顔こそ、薫が一番見たかった表情であった為、薫は此処が図書館であるにも関わらず腹を抱えて笑い出す。


「はははは! 嘘だって、ひど過ぎるでしょ! はは、はははは!」

「コラ、香田薫! 静かにせんか!」


 神部が周りに目を配りながら、薫の口を塞ぐ。図書館ではお静かに。最低限のマナーである。笑い過ぎて目の端に涙まで浮かべている薫は相川にとっては紛れもなく憎たらしい存在であったが、確かに今の第一声は酷過ぎると自分でも反省した。口を塞がれてようやく笑い声を収めた薫の隣に腰掛け、相川は少し顔を赤らめて咳払いを一つ。


「お、おはよう二人とも」

「あぁ、おはよう」

「おはよー」


 相川の挨拶に声を返しながら、薫は図書館内の時計を確認する。十時一分過ぎであった。薫は顔をニヤケさせたまま相川の肩を叩いて時計を指差す。


「ね、ね、真見ちゃん。一分遅刻したよ?」

「……い、いいじゃんそんくらい」

「私の遅刻はあんなに怒ったのに?」

「あれは遅過ぎたからでしょ? 私のはたった一分じゃないの」

「でも、遅刻は遅刻だよね、神部さん」


 話を振られた神部は、未だに薫のノートを点検している。授業でやったばかりの中和滴定の項目が丸々抜けているそのノートに眉を顰めながら、神部は顔を上げずに答えた。


「まぁ、香田薫の言う通りか。我が校の校則でも、一秒でも遅れれば遅刻扱いされる訳だしな」

「…………んもう! 分かったわよ! 一分遅れてごめんなさい!」


 二人に囲まれて、半ばやけっぱちに謝った相川。薫は小さくガッツポーズをしていた。

 少し調子に乗り過ぎている。神部はそう判断し、また薫を諌めようと口を開きかけるのだが、またしても阻まれた。


「うぃっーす!」


 小森の軽快な挨拶が三人の耳に届いた。

 木曜に警察に保護され事情聴取、金曜は一応病院で心的外傷検査や薬物の検査、土曜はゆっくりと家で休養していたので、薫達三人と顔を合わせるのは久しぶりだった。

 ツインテールを縦に揺らしながら小森は、実に楽しそうに微笑みながら小走りで薫達に駆け寄ってくる。警察沙汰から無事に帰還した彼女を、三人は暖かいまなざしで迎える心構えで居たのだが、実際には三人は驚愕の目を向けた。

 否、三人が目を向けていたのは小森ではなかった。

 彼女に手を掴まれて一緒にやってきた人物が問題だったのだ。


「お、おはよう……ございま、す」


 困ったように小声で挨拶をしたその男は、坊主頭をボリボリ掻いて辺りに視線を泳がせた。

 何故此処自分が居るのかに疑問を抱く男の名は空峰雲海と言う。

 彼は、未だに繋がれている右手を落ち着かなく揺する。しかし小森は手を離そうとせずに、雲海を無視して三人に笑いかける。


「ごめんごめん。ちょっと遅れちゃって」

「いや、それは良いんだが……」

「な、なんでクーちゃんが……」

「美紀ちゃんと一緒に居るの……?」


 当然の疑問をリレーのように回す三人。疑問の声は雲海の方に向いていた。なんせ飛び入りであるのは彼なのだ。雲海は三人の好奇と疑惑の視線に気圧されつつも、ありのまま起きた事を話した。


「昨日の夜に小森さんから電話が来て……勉強教えてくれって」

「アンタ、人に教える程成績よくないでしょ」


 相川が淀みなく言い切る。雲海の中間試験の順位はほぼクラスのど真ん中である。自分の学力は雲海が一番よく分かっていたのだが、小森の頼み方にも問題があったのだ。


「どうしても来てくれ、来ないと迎えに行くとまで言われたから……」

「なんと強引な……」


 神部が同情を示す。そもそも小森は雲海の家の場所を知らないのだが、聞いた事もない様な真剣な声色から、恐らく確実に突き止めて寺まで来るだろうと懸念した雲海が折れた結果となった。


「そこで小森さんが図書館前で待ち構えてて、何故かこんな風に」


 未だに離してくれない右手を、左手で指差しながら雲海は溜め息を吐いた。

 雲海は異性の機微に敏い方ではないが、それでも小森が自分に猛烈なアタックを仕掛けてきている事は理解出来ていた。小森は性格は兎も角としても、見た目はかなり良い方であるため、年齢相応に女性に関心のある雲海も決して嫌とは思わなかった。むしろ少なからず歓迎しているが、相川や薫などに見られるとなればそうはいかない。下手に二人の仲を邪推されてクラスメイトにでも知られれば、外堀から埋め立てられてなし崩し的に付き合う、なんて事も有り得る。小森は雲海の懸念通り、人に知らせる為に見せる為にわざわざこの場に雲海を呼んだのであり、雲海は今まさにそれに気づいて軽い頭痛すら感じていた。

 美人と付き合えるなら別にそれでいいだろ、と言う少々邪な考えも全く無い訳では無かったのだが、雲海にも雲海の事情がある。彼は付き合う人はもっと大人しく奥ゆかしい人が良いと考えており、少なくとも小森はその条件に合致しない。だが別に付き合ってくれと直接言われたりした訳では無いため、上手く断りを入れる事すら出来ない。

 夏だと言うのに、小森に繋がっている右手以外の雲海の体温は、止めどなく溢れ出る冷や汗のせいで下降の一途を辿っている。


「ねぇ、小森さん。そろそろ、手を」

「……あ、ごめんなさい」


 小森は小声で謝りながら手を離し、顔を俯ける。もう一度顔を上げた時には彼女の瞳は潤んでいて、眉尻を下げながら雲海を見上げた。男の庇護欲にクリーンヒットする完璧な角度での上目遣いでずきゅーんである。

 席の三人は立ち上がりこそしないものの、精神的な距離は二歩も三歩も彼女から引いていた。


「やっぱり、私なんかと手、繋ぐの……嫌、だったよね……」

「い、いや。別にそう言う訳じゃ……」


 猛烈な罪悪感に駆られた雲海は、嫌と言う事も出来ずにいた。雲海の否定になり切れないその肯定の言葉を受け取って、小森は小首を傾げながら、薄く微笑む。


「じゃ、繋いでて良い……?」

「う……い、良い……いや、良くないけど、ええっと……」


 あまりにも切り替えが早すぎるのは、小森の泣きが演技である為なのだが、それが見抜けなかった雲海はただただ困惑するばかりだ。つんけんとしていた筈の小森の突然の心変わりも含めて、雲海は混乱を一層深くする。

 ……複雑な女心は、僕には理解出来ない。雲海はそう結論づけ、半ば諦めた。

 対する小森は雲海の心労なんて構う気配は微塵もなかった。彼が如何に奇妙な技術を持っていようが、好きになる切っ掛けが吊り橋効果であろうが、小森が雲海に恋したのは紛れもない事実であった。

であれば恋愛体質な彼女が、恋の成就の為に突っ走らない理由なんてどこにもなかった。多少強引にでも触れ合う切っ掛けなければ、色恋に縁が薄そうな雲海との仲を進展させるのは難しい。今は彼の心が薫に向いていようが、私にはそれを覆すだけの力量と自信がある、と小森は自負していた。恋愛において後退の二文字を辞書登録していない小森は、木曜日での喧嘩を挽回する意味も込めて今日の勉強会に彼を誘っていたのだった。

 ちなみに、少し遅れてきたのにも理由がある。

 彼女の思惑通り、四人掛けのテーブルには空き椅子が一つしかない。唇を三日月形に歪めた小森は、白々しく声を弾ませながら雲海に向き直った。


「ありゃー席が足りないなら私達は向こうのテーブルで二人でやってるわー。

 ……って事で雲海君、行こ?」

「え、ちょっ、待っ」


 強引に二人きりになる機会を作る為に図書館の奥の方へ向かって行く小森と、それに引っ張られる雲海。

 一度だけ振り返った小森が、薫の方を一瞥する。未だ呆気にとられた風の薫に向けて、小森は一瞬だけ細めた瞳を向けた。まるでライバルでも見るような、それでいてライバルを負かしたときのような目と仄かに浮かぶしたり顔。ほんの一瞬そうした後、小森は何も言わずに再び歩き出した。


「……一体、何があったんだろ、ミキティに」


 相川の問いに答えるもの、正確に答えられるものは誰も居なかった。台風でも通った後のような静けさが薫達三人に訪れる。二人の後ろ姿が消えてから神部は、他人事だったな、と再び薫のノートに目を落とす。

 しかし、すぐにノートが取り上げられた。引っ張ったのは他ならぬ薫である。普段の彼女らしからぬ仏頂面の薫は奪ったノートを自分の方に向けて、読み始める。その間終始無言であり、見るからに不機嫌である事に間違いはなさそうだった。

 神部が相川の方に視線を向ける。相川は苦笑いを神部に向けて返した。薫が不機嫌になった理由を相川も神部も悟ってはいた。しかし、それに確認をとらなければ気が済まないと言う理路整然としすぎた神部は質問を繰り出した。


「空峰雲海が小森美紀に取られて、悔しいのか?」


 歯に衣着せぬ神部は、薫に真っ直ぐ目を向けてそう言った。相川が神部の方を妙な視線で射抜く。訊くのかよお前、と目で訴えかけるが、神部はそれを無視する。問われた薫は、未だに不機嫌そうな顔をしていたが、額に皺を寄せて首を傾げた。


「…………別に良いんじゃないの? クーちゃん良い人だしね。

 美紀ちゃんもクーちゃんとなら長続きすると思うよ」


 表情とは真逆に、肯定するような意見を吐く薫。声は顔色の割には険しくはなかった。真偽は見抜けないが、その場に居る二人は嘘、或いは強がりだと判断した。


「君は教室でも、空峰雲海とよく一緒に居るじゃないか。

 空峰雲海が好きではないのか?」


 質問を止めない神部。相川は既に諦めたのか、むしろ薫の返答に興味があるのか、黙って成り行きを見守っている。取り出した手帳にペンを構えている辺りは、さすが新聞部の精鋭と言った所か。


「……さぁね」


 薫は質問をはぐらかした。自身さえ彼に向ける感情が何なのか、彼女は未だ漠然としか把握できていない。

 ……雲海の事は決して嫌いではない。むしろ好きだ。当然だ、でなければあれだけ仲良くしようとは思わない。しかし、異性として好きか考えるとなると、ちょっと分からない、と言うのが薫の本音だった。色々良くしてくれるが、彼は恋人と言うよりは頼れる兄のような存在である、と彼女は考えている。


「では、君に取って空峰雲海とは、単なる友達なのか?」


 そう聞かれるとそれも違う、と薫は自分でも複雑な思考を、呆れながらも肯定する。

 仲の良さに順位を付けるとしたら、彼は上位に食い込みこそすれど、トップには絶対に成り得ない。学外で共に遊ぶ事もないし、薫が雲海について知っている事は決して多くなく、雲海から見てもそれは同じである。

 それだけだったら単なる友達止まりだが、誰も知らないお互いの秘密を共有してしまっている、と言う点では、雲海は誰よりも薫に近しい人間であった。口裂け女の時も、河童の時も、そして今回の事件も、いつでも二人は一緒であった。共に助け合いながら危機を乗り越えてきた。

 同類、同志、仲間……言葉は色々思いつくが、強いて言うならば。


「……相棒、とか?」


 結論を述べながら曖昧に微笑んだ薫。神部は一応は納得を示す一方で、相川は面白くなさそうに口を尖らせているが、何かを言う事はなかった。

 訪れた沈黙の中で、薫は奪われた相棒が何処に行ったか多少気がかりになり、遠隔透視しようとも考えたが、止めた。あまりにも下らない、そんな事の為にこの力が身に付いた訳でもないだろう、と思い直した薫は諦めて、こちらも空白の目立つ日本史のノートを取り出した。

 第三話は妖怪じゃなくて超能力、遠隔透視能力(リモートビューイング)のお話でした。

 実は一言に透視と言っても、様々な種類があるのです。

 作中、薫が最初から持っていたのは、目から届く範囲で物を透かして見る能力で、通常透視と言います。また、現時点とは違う時系列の光景を見る透視する予知透視、過去視なんてものまであります。

 そして今回フォーカスした透視能力は、遠隔透視と呼ばれる超能力です。千里眼とも言われるこの超能力は文字通り遠隔の透視、つまり視野外の光景を見るという、恐るべき能力です。

 荒唐無稽な話にも思えますが、70年代の米国陸軍などはこの超能力の利用を真剣に考えた、スターゲイト・プロジェクトなる計画すら立ち上がったそうです。成果無しと頓挫したようですが。

 しかし、今でも極々たまにですが、テレビでも特集が組まれるため、この超能力は比較的世間でも見かける事があるように思います。FBIの捜査官がこの超能力を使って、遠くの光景をスケッチしていく様をテレビで見た事のある人は、少しは居るんじゃないでしょうか。

 端から見ればまるっきり根拠のない眉唾も良いところな超能力ですが、実際の検挙率を考えるともしかして……?

 作中では八卦と呼ばれる中国の易経……占いに用いる概念を媒介にして偶発的に発現した超能力としています。八卦図で方角を云々、と言うお話は正直結構適当なので、あまり深く考えないでくれると幸いです。

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