神さまのたまご
掲載日:2026/06/13
ある日の帰り道、わたしは道端に落ちていた天使を拾った。
その天使はとても小さくて、わたしが面倒を見てあげなければ今にも死んでしまいそうに見えた。
その日からわたしは、小さな天使のためにあれこれと世話を焼いた。
天使は少しずつ成長し、そのうち言葉を話せるようになった。
聞けば天使は神さまの卵みたいなもので、成長して大きくなると神さまになるのだという。
「僕をここまで育ててくれてありがとうございます。もう少し大きくなって、一人前の神になれたらやっと生まれたところに帰れます」
それを聞いて、わたしはますます天使のお世話に熱中した。
そんな日々が続き、ついに天使が神さまになる時が来た。
「神になる最後の条件として、誰かひとり人間を連れて帰らなければならないんです。それに僕はあなたと離れたくない。どうか僕と一緒に来てくれませんか?」
吸い込まれるような目でわたしをまっすぐに見つめる天使。
すごく迷ったけれど、わたしも天使と離れがたく思っていたのでうなずいた。
「ありがとうございます! これでもうずっと一緒にいられるんですね」
肉のないアゴをカコカコと鳴らしながらそう言うと、天使はどこから取り出したのか大きく鋭い鎌を勢いよく振り下ろし、わたしの胸を貫いた。




