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「ノア、はじめてのおつかい」
学園祭の準備で忙しいある日。
「ノア、これ。購買部に持っていってくれる?」
ミレイアに頼まれ、ノアは小さな包みを抱えて廊下を歩く。
「ひとりで……できる……がんばる……!」
しかし──。
「この廊下……さっきと違う……?」
「こっちの階段……短くなってる……?」
学園の魔力がまだ安定しきっていないため、
校舎が“気分で形を変える”問題が起きていた。
「うっ、うぅ……迷子だぁ……!」
泣きそうになったその時──
「ノア?」
ユウがひょこっと顔を出した。
「迷ったの?」
「……うん……」
ノアはぎゅっと袖を握る。
「ユウのにおい……安心する……」
ユウは苦笑しながら彼女を抱き上げる。
「ほら、行こっか」
「……ん……!」
こうしてノアの“はじめてのおつかい”は、
ユウの介助により無事に終わった。




