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サイドストーリー **レオン**
◆生まれついての天才じゃない
レオンの家は、雷魔法の名門だった。
しかし彼は――
**“魔力ゼロの落ちこぼれ”**として生まれた。
父は言った。
「雷は血統だ。お前には向いていない」
兄たちには雷が生まれつき宿っていた。
レオンだけが、雷を出せなかった。
◆本当の才能
ある日、母がそっと手を握って言った。
「レオン……あなたは“強くなりたい”と思える子。
それが一番の才能よ」
その言葉が、幼いレオンの心を動かした。
毎日毎日、手が割れるまで基礎体力を鍛えた。
千回の拳突き、千回の素振り――
魔法が使えなくても、やれることは全部やった。
◆雷が宿った瞬間
10歳の夜。
父の研究室で暴走した雷魔法を、
レオンは身を挺して弟をかばった。
その瞬間――
彼の拳から、雷が走った。
父は息を呑んだ。
「……血統ではなく、覚悟が雷を呼んだのか……」
それがレオンの原点。
だから今でも、ユウに言える。
「相棒、強さは“覚悟”だ」




