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注意喚起。溢れる不幸。夕方。把握できない。
考え事をして所定の場所に着くのが遅れた。
校長はこちらに声をかけてこない。こちらから声をかけるか、校長が気づいてくれるように何か音を出すか視界に入るか。
どちらにしろ所定の手順から逸脱してしまうが。
「先生」
校長がこちらに振り替えるが、返事も聞かずに手早く用件を伝える。
「事故に気をつけてください」
さてどうなるのか。
中止を聞き入れないとしても、僕の立場なら本来、このように注意喚起をすれば十分な責任は果たしているはずだ。
まさかそんな近くに死の危険が近くにある実感なんて普通はない。
そうだ――。
不幸な事故や諍いが『今日』の一日でそこまで溢れるものなのだろうか。
こんなおかしな事が。
*
夕方。
期待はしていなかったけど、あの現場のような状態になる前にウサギを探そうとして早めに林で捜索をしても、全くその気配すら感じられない。傷一つない状態のウサギを見つけられない。
僕が『自覚』のない時は助けられてないかもしれない。いたぶられるままの小動物を想像すると胸が痛んだ。
仕方がない。傷ついたウサギを助けるしかない。
自分のいない所で何が起きているのか。全てを把握している訳ではない。
コントロールできる訳ではない。




