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詩集;枯れた花

欠けた月

作者: 歌川 詩季

 満ちるより、欠けることのほうに魅力を感じます。

 目が眩むのはいつも まぶしい輝きばかり

 僕にはもはや 黒子さえ身に余る

 他人羨むより 我が身を(かえり)みろ

 派手さは無くたって誇れるものを持てばいい


 盛者必衰なら 並ぶ盃 愛でるより

 酌み交わす相手をさがしなよ

 満ち足る日々はやがて過去になるけれど

 月の無い闇夜も続かない


 いつかまた 満月を結ぶのを夢見てる

 星々と肩並べ 雲がかかれば照れ隠し

 欠けた月がぼやいてる 負け惜しみと聞き流してくれ

 本気まじりだと思えば 気に(さわ)るだろうから



 目を奪うのいつも まばゆい宝石ばかり

 僕ならしょせん でっかい石くれかな

 他人おだててまで 我が身をこきおろす

 卑屈さこそ真に恥ずべきものと知りながら


 栄枯盛衰なら (から)の盃 嘆くより

 呑み干した余韻に浸りなよ

 欠けゆく日々にやがて今日を呪うけど

 月はまた闇夜を照らすだろ


 いつかまた 満月を(えが)くのを信じてる

 星々と手をつなぎ 雲を散らせば照れ臭い

 欠けた月がほざいてる たわごとだと顔しかめてくれ

 冗談めかしておくから 気にしないだろうけど

 形を鑑るなら、欠けが大きい月のほうが。

 色を鑑るなら、満ちが大きい月のほうが好きです。

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