8話 キングアンドクイーン
サーティンアベニューでのカラオケ店のバイトで、この日はイナ君と一緒となり、住まいについて快適にやっていることを知り、繁華街キングアンドクイーンへ繰り出すことになり、そこで待っていた衝撃とは?
ワイはカラオケ店につくと、この日はイナとシフトが一緒だった。
客の入りが少なくて暇つぶしにおしゃべりしだした。
「シンジはスクールはうまくやってんの?」
「え、まぁ、そうだね」「なんか困ってんの?」
「困ってるわけではないけど、授業で先生がワイを指しているのに、フォーリナーの生徒は先に答えてしまったりするんだ。しかも結構な確率で間違っているし。あれはなんなんだと思っているよ」
「はいはい。そんなもんよ。戦場と思ったほうがいい。逆に誰かが指された時は答えるくらいでちょうどいい」
「そうなんだ。やってみるよ」
「この街では遠慮はいらない」
しばらくして1組のチャイニーズ客の対応したが、その後また暇になった。
「シンジ、シェアハウスはどうだい?」
「なんかいろいろトラブルもあったりしてイマイチな感じがするよ」
「そっか」
「イナ君の住んでるバックパッカーズはどうなの?」
「まぁ、普通かな。いろんなのいるけど別に気にしないけどね」
「今度どんな感じが見てみたいな。よかったら滞在してみたい」
「そうなん?まぁ、いいけど」
「じゃあ来週あたりはどう?」
「水曜ならいいよ。したらキングアンドクイーン駅まで来いよ」
「待ち合わせはペプシの看板の下かい?」
「ああ」
翌週の水曜
「よう!」
「あー悪いね」
「こっから3分くらいだよ」
「へぇ近いね。便利じゃないか」
3分ほど街中を歩くと、雑居ビルがあった。
「ここだよ」
「ハロー」
フロントには国籍不明の黒人スタッフがいた。
「彼はアレックス。こいつはシンジ」
「よろしく」
「ヨロシク」
なんか胡散臭いというか、微妙な人だなぁ
「近く1週間とか滞在できそうですか?」
「イエ、アキハアリマセン」
「え?」
予想外の回答だった。
「全然ですか」
「エエ、ヒトツキイジョウウマッテイマス」
「シンジ、残念だな。行こう。アレックス、サンキュー」
こうしてワイのバックパッカーズ滞在計画はあっけなく終わってしまった。
いろいろなことが起きるが、変わることのない沼のような生活は今後どうなっていくのか。