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わん でい   作者: くじら時計
5/5

パパ活?

おそくなりました。なかなか気持ちが向かなかったのです。

あれから子供が離れずに俺の毛皮を持っているから、


仕方ないと、背中に乗せて街まで走った。


「がぅぅ(背中から落ちないようにな)。」


『うん。パパ。』


何故か会話が出来るが便利だし、そんなもんだと思おう。


「止まれ!…お前…スノーか?背中の子供はどうした?」


…そうだよな。門番に止められるよな。


「がぅ(拾ったんだ)。」


「いや、何か言ってる気がするけど、分かんねぇよ。」


そりゃそうだよな。


『パパぁ…』


ギュゥ。


背中にいた子供が俺の毛をより強くにぎってくる。


「パパぁ?スノーがパパ?」


門番の視線が背中の子供と俺を行ったり来たりしている。


「…まぁ、なついてるのは分かるが…。ギルドに行くのか?」


コクン。俺は頷く。


「なら、そこで相談してくれ。俺には分からん。」


おいおい、匙を投げるの早すぎないか。


「よし、次のヤツ。許可証を持ってるか?」


…まぁいいや。


子供を背負ったまま、街の中にへと入っていく。


「スノーちゃん…スノーちゃん?背中に乗せてるのは何?」

「おっ!スノー元気か?…背中に何乗せてんだ?」


街の住人が寄ってくる。


ギュゥ。


「子供?スノーお前、何で子供乗せてんだ?」


街の住人が子供を触る。


ギュゥ。


痛い痛い。


「がぅぅ(みんな、離れてくれ)。」


俺は止まらずにギルドへと向かう。


「お、おいスノー…」

「行っちまった…。」


ふぅ~


やっとこさギルドへと着いた。


背中の子供も人混みから離れたせいか、キョロキョロ辺りを見回していたが、


ギルドに近づくと、また背中の毛を強くにぎってきた。


「がぅ(大丈夫だぞ)。」


『ほんと?』


「がうぅぅぅ(俺が普段から暮らしている場所だからな)。」


ギルドの入り口から入っていく。


「おい!スノーが子供を連れて帰ってきたぞ!」

「何だと!?」


「犬が子供を産んだのかぁ?ハハハ…」


おい、酔っ払い。後で覚えておけよ!


いつものカウンターへと歩いて行く。周りの冒険者がガン見してくる。


ギュゥ。グェ。


子供が毛をにぎってくる。冒険者がガン見してくれるおかげで


子供が首を絞めてきた。苦しいわ。


俺専用のカウンターで受付嬢が待っている。


「こんにちは、スノー。子育てについては他の受付嬢に聞かないと分からないわ。」


「がぅ(そんなんじゃねぇよ)。」


「まぁ、そうよね。何で子供を確保することになったの?」


「がぅぅぅ。がぅ、ぐるぅ、がぅぅぅぅ。がぅがぅ(それはな…かくかくしかじかなんだ)。」


「何それ…魔物の捕獲…最近はそんな依頼ないよ。」


「がぅ(やっぱりな…)。」


「とりあえず、調査員を派遣するわ。スノーにはこれをお願いするわ。」


「がぅ?(なんだ?)」


「子供の服よ。そのままの恰好で子供を放置するのはかわいそうじゃない?」


「がぅ~(そう…だな、忘れてたわ)。」


「がぅがぅ?(おい、服を着れるか?)」


フルフル。


首を横に振って背中から降りようとしない。


「がぅ(ダメだわ。)。」


「でも、スノーが世話するしかないよね?」


「がぅ…(えぇ…)。」


『パパァ…』


「パパ?スノーあなた、パパなの?」


「がぅぅ?(俺が人を産めるとでも?)」


『パパ。捨てないで。』


「でも、パパって言われてるよ。」


「がぅ(パパじゃねぇ)。」


『パパはパパァ。』


ギュゥゥゥゥゥゥ。


グェェ。


苦しいだろ!


「そんなになついてるんだから面倒みてあげなよ。」


「がぅ…(えぇ…)」


ギュウゥゥゥゥゥ。


「がぅぅ。がぅぅ(分かった、分かった。面倒見るから、そのかわり文句言うなよ。)。」


『パパ!パパ!大好き』


「がぅがぅ(はいはい。)。」


「じゃあスノー、またね(…スノー、貴方もそんな顔するのね…)。」


「がぅ(おう。)。」


俺は子供と背中に服を口に加えてギルドを出ていく。


う~ん、とりあえずいつもの所にいって考えるか。


時間はあるしな。おいおい考えよう。

子供を育てる狼…上手く育てられるのでしょうか…

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