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5話

最終話です

襲ってきた男は暗くて顔は分からなかったが中々体格の良い男だった。ただ、

「僕程ではない。」

そう言って男の体当たりを躱すと隙だらけの背後から迫り、右腕を首に巻き付け、もう片方の二の腕を掴む。そして左手を後頭部に当てると、力いっぱい首を締めあげた。つまり所謂。

スリーパーホールドが決まった。

暴れていた男は直ぐに大人しくなった。







「あの野郎、使えねえ。」

片方が制圧されかかっているのをみて、もう片方がキレながらナイフをチラつかせる。

「まぁそう言うな、君も直ぐに似たような状態になるんだから。」

棒の袋を遊びながら余裕しゃくしゃくで答える。

「抜かせ。」

男の琴線を逆撫でするように放ったその言葉は挑発には成功した。が、犯人のナイフが京極に迫ることとなった。









次の瞬間、










遊んでいた袋から取り出した何かがナイフを弾いた。

 ホールドをしながら京極を見る。何かの武器かと思ってはいたが、袋の中は竹刀だった。


「へぇ、剣道か、でもよ、コレはお行儀のいい剣道じゃねーんだよ。」

強盗は一撃目を弾かれたことを気にもせずナイフを振りかざす。暗闇の中、銀の光が走る。

「確かに、そうだ。剣道とこういったモノは全く違う。」

所詮はガキの習い事、ナイフは弾かれたが痛くもねえ。

「ただ、俺は決して剣道をやる。とは言ってないぞ。」

ガキの眼がギラリと光り、白い歯が見えた気がした。次の瞬間。




「オラァ!」





乱雑に振り下ろされた竹刀によってナイフが叩き落された。




「………。あれ?」

手がしびれる、ナイフが無い。

そんな風に一瞬考えるや否や、







「ゴルァ」







追撃が飛んでくる。今度は肩に直撃した。今度は痺れるどころか感覚が無くなった。

乱雑で無骨、チンピラが鉄パイプを振り回すように振るわれる、殆ど片手で振るわれる竹刀。しかし、目の前の羅刹の如き形相の男が振るうそれは、俺の心を

「シャー!」

身体もろとも砕き、蹂躙する。今度は脇腹、呼吸が止まる。しかし、それでも追撃は止まない。抵抗しようにも、手を出そうとする頃にはすでに、






「ダー!」






次が来る。降参の言葉を言おうにも、






「この!」






竹刀が直撃。言葉が苦痛に塗りつぶされる。






「テメエ」






「人んち上がって」






鴨矢は思った。サークルを荒らされた時、この男が矢鱈大人しい、怒っていない。と思ったのは間違いだった。






「好き放題、なめた」






最も怒っていた男は






「マネ、しやがって」






この男だった。






「この野郎コラ!」





推理力だけでなく京極の暴力も追求すべきかな?

腕の中で気絶している強盗に気付かぬまま、初めて目にした友人の鬼神の如き姿を前に、そんなことを考えていた。










『一分は持つ。』

 それが京極自身でなく、相手の生命のことを指し示していたことに今更気付いた。

 さぁ、どうやって止めよう?アレ、僕じゃ止められないぞ。















あの後、僕に締めあげられて気絶した男と京極の気が済むまで身も心も文字通り叩き潰された男(ギリギリ存命)は両方とも警察のお縄になり、夜も更ける中、僕たちも取り調べを受け、危ないマネをしたことをこっ(ぴど)く怒られた。



















































「さあ、片付いた。」

手には泥まみれの雑巾、目の前にはきれいな床が広がっていた。

 事件が収束し、翌日。放課後、私は掃除をしていた。

 掃除をさせるのは叶わなかったが、まぁ、仕方ない。

という訳で掃除をしていた。

「やあ……おや、見違えたね。」

京極も今日は早いらしく部屋に来た。



「にしても、今回の事件は凄まじかったね。サークルの泥の足跡が宝石強盗に化けるなんて…。」

「まぁ、そんなこともあるさ。」

ある訳が無いだろう。

「全く、お前には感心させられたよ。追求のし甲斐があった。」

「いやぁ、そんなことは無い。偶々さ。大したことは無い。」

今回はまんざらでもないようで少しだけ嬉しそうだ。

「さぁ、代表。記念すべき我らがサークルの始まりの音頭を、取ってくれ給え。」

照れ隠しでそんなことを言う京極に促され。

「あぁ、それでは、ここに、サークル結成を宣言しよう!」

両手を上にあげて高らかにそう宣言した。


如何でしたでしょうか?これにて友人のお題は完了です。

ただ、まだ続ける意欲は有ります。ですので、厚かましいのですが、また作ったら見てください。


感想も下さい。

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