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神秘を求める男〜女体を求める異世界人〜  作者: 環 九
第3章〜エルフの美少女〜
55/59

54話~上に跨る女と波に飲まれた男

2pt…

とりあえず目標の100Ptまであと少しなのです。

ぜひともBMもしくは評価ボタンを

輝かしい双丘の先端だと思ってムニュっと押していただけると幸いです!



「おやおや、死んだと思うような勢いだったのにほとんど無傷かい?」


「いや、5分は気絶してましたよ」


ミリュに思いっきり蹴飛ばされた俺は痙攣しながら、草花の上で放置されていた。


「そういえばなんでミリュはあんな蹴りを?」


「最初はまたケンヤは違う女になびいてって小さな苛立ちだったの…でもアタシでもわからなくなるほどに嫉妬心が…」


まぁ、それで俺を蹴る意味がわかんないんだけど、この美女を蹴ろうとしていたなら、結局のところ俺が受けていただろうからな…


「ふぅん?貴女も大変ね、龍の身で人の姿をしているなんて…でもそれは理を反することなのよ?ましてやこの世界の理の外から来た異国の子が原因となればなおさらね」


やっぱりこの美女は何かを知っている

というよりは全てを知っているといった雰囲気だ。


「そう、私は知識の全てを与えられ、そして自らそれを絶った、“生きる図書”アレコ。」


そうして開かれた目は全身が聖なる光とも呼べるのに、その光を全て食い殺そうとしているのかと思えるほど真っ黒だった。


「これが代償、でもお陰で前よりももっと見えるようになったわ」


再び目を閉じたアレコは、幸せそうに微笑む。AAカップ183センチの貧乳長身美人アレコはエルフのおじいさんと話して、その後案内された宿屋に入った。


ちなみにこの宿屋はとにかく部屋数が多いのがウリのようで、全員がバラバラに個室だ。

お金はエルフのおじいさんがエルフ王から渡されているようで心配はいらないと言われていた。



ーーーー

部屋の中はベッドと小さな机があるだけで、風呂場とトイレは共同のようだ。

まぁ風呂はともかくとして、トイレは不要だからな…


そんなことを思いながらベッドの上で寝転んで目を閉じると、視力以外の感覚が敏感になる。どうやらエルフのおじいさんとアレコは渋い感じで酒を飲みあっていた。


まぁなにかしら関係はありそうだったからな、明日飲酒運転にならなければそれで良いか。


さてと、問題はミリュだな

俺が抱いていたミリュのイメージと最近のミリュはどこかおかしい。まぁ俺の影響といってしまえばそれまでなのだが、それでもどこか制御しきれていないようにも見えてしまう。


さっきの一件だって俺だからご褒美で済んだものの、他の人間ならまず即死だろう。


そして現在そのミリュは俺の部屋の前で今ノックをした。こちらに向かっていることはわかっていたのだが本当に来るとは…


「ワタシ、開けて?」


断る理由もない俺は扉を開ける。

言葉では、動作では気付かなかったがミリュはまた涙を流していた。しかし、理由が見つからない、もう消えることはないようにと、俺の魔力を常に供給しているような状態だ。

まぁそれ故に俺の意思や気持ち、記憶が一緒に流れてしまっているらしいが。


「他の人に色目使っちゃだめ!」


まるで子供のようにミリュは声をあげた。

睨みつける目は本物で、言葉も本気だった。


「確かに複数の女性を気にしてしまうことは、不純だって思うかもしれない、でもこれが俺なんだ…ミリュなら理解してくれるって勝手に思い込んでただけなんだな」


そう、いつも理解してくれてたミリュに俺は頼りに過ぎていた面もある。俺がふざけた時はミリュが諌めてくれる。それが妙に心地良かったし、ミリュもそうだと思っていた。

でも違ったみたいだ。


「ワタシだけを見て?」


そう言ったミリュは俺をベッドにまで押し、倒し腰のあたりで跨った。


見上げる形で天井の灯り越しに見るミリュは、とても綺麗だと思った。肌や髪がやけに妖艶で、瞳は一途な思いに支配されていた。


恋は盲目?

そんなレベルではないし、ましてやミリュらしくはない。


ミリュは抵抗しないのに、肩を抑えて俺の動きを封じてくる。


そして長いキスをされた。

それこそ貪るように、優しく激しく、次第に俺もそれに応えるようになった。


満足したのかミリュは体を起こすと今度は着ていたものを脱ぎ始めた。


キスによって上気した肌はほんのりピンクに色づき、目もトロンとしている。


静止する気もなく、俺はあらわになっていくミリュの肌をじっくりと眺めていた。


「ワタシのこの体をみてもまだ他の人に目が移っちゃう?」


否定はできなかった。

確かにミリュの美しさは前の世界であっても比べる相手が、ほぼ皆無でこの世界においてもそれは変わらない。そんな女性が自分に強い好意を抱いてくれている男冥利に尽きるというものだが…


「悪いなミリュ、俺はお前が好きだが、お前だけ、一人だけを愛することなんて出来ない。今言葉で出来ると言ってしまうのは簡単だ、でも俺はお前を愛しているからこそ嘘を付きたくはないんだ」


「そう…下手につながっちゃってるからケンヤが本気だって分かるよ、ワタシだけを見てくれないのも分かってる…でもワタシはそれじゃ満足できないの!!」


ミリュがまた顔を近づけるが、今度は唇に触れず顔を俺の横にうずめる形となった。

女性特有の柔らかさを持つ二つの山が俺の体に触れる。

服越しであっても先端が硬くなっていることは分かるし、ミリュの心臓が高鳴っていることも簡単に感じることができた。


耳元にそっと口を近づけて


「ワタシのことだけを見てくれるって言ったら、毎日気持ちよくしてあげるよ。ワタシにならケンヤの気持ちいとこ全部分かっちゃうんだから…ね?」


言葉とともに耳たぶをあまがみされる、俺があこがれたシチュエーションの一つに間違いはない。俺がミリュと別の奴を間違えるわけがない、だがそれでも俺は、このミリュの姿をした美少女をミリュだと認識できずにいた。

言葉遣いが違う?そんなもんじゃない

心が違うんだ、操られているとも思えない、本心が混じりあってる事も分かる。


「すまん」


強い魔力を意図的に流し込むことで相手を昏倒させる、龍であるミリュにそんなことを出来るのは俺か、クリスぐらいだろうな。


そんなことを思いながら、俺はミリュに布団を掛けて部屋から出ていく。

一体ミリュはどんな表情をしていたのか、俺はそれを確認できずにいた。


「なぁ、あんたは何か知ってるんだろ?アレコ!!!」


女性に向けた初めての怒りだった。


途中から気が付いていた、ミリュの心に宿った嫉妬心を

でもそれはミリュが人間の感情に近づいてきたが故の事だと思っていた。


それにしても様子がおかしいことにもっと早く気が付くべきだった。

ミリュ本人さえも自覚できないほどに心の奥底に植え付けられた

嫉妬の種に。


そしてそんな芸当ができる人間がそう多くはない

なにせミリュは龍なのだから。


「あら、気づいてしまったのね…それにしてもひどいじゃない、自分を好いてくれる女性を倒すなんて、そのまま身をゆだねて共に果ててしまえば、スキが出来たのに」


扉を開けて声を上げる、最初っからそこに居たように、アレコは立っていた。

そしてその表情は最初にあったときから変わることなく、だが闇の中でさえも黒く感じる目を開いて、確かにこちらを見ていた。


「いくらなんでも早すぎるだろ、今日の今日で何かあれば、まず自分に疑いがかかると子供でも分かることだろ?」


「それもそうね、全ての知識を持つ私としては随分と浅慮だったと言うべきかしら?でもねそれ以上に私は貴方に、貴方達に嫉妬していたの。今すぐこの宿自体を炎に包みたいほどに」


「させるかよ、俺の大事な、この世界で一番大事な女があれだけ苦しんだんだ、いくら女でも俺はお前を許さない!!!」

「言い訳をしてはいけないわ、あの子にそんな思いをさせたのは貴方」


図星を突かれたようで俺は、少しだけ動きを止めてしまった。

ただでさえ、女性相手ということで全力が出せない現状でほんの少し動きを止めたことは失敗以外の何物でもなかった。


攻撃と思えなかったことも原因の一つだろう。

アレコがしてきた行動は、俺に口づけをすることだった。


無味のそれは無音で俺の心に入り込む

俺の心にも嫉妬の種が根を張った

それを感じるのと同時に俺の意識は暗転した


…しかしだミリュは一体いつ…嫉妬の種を植えられたのだろう

そんな思考は、あっという間に嫉妬の濁流に飲まれ消えていった。


嫉妬の心

憧れとともにあるような感情

俺はいったい何に憧れているのだろう

昔物語で読んだ英雄?それともエロゲのハーレム主人公?

そのどれもが叶っているじゃないか


だがそれでも俺の心からは嫉妬があふれてやまない


溶け込んだ意識の中で明確にわかるのは、他人の幸せに対する苛立ちだった。

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