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神秘を求める男〜女体を求める異世界人〜  作者: 環 九
第2章〜アズシン国で〜
19/59

19話〜デブな王様と正体のわからない男

読んでくれてありがとうございます!

「アズシン国、軍曹長ゼグサであーる」


冒険者機関でもらうような身分証とは違い、ピカピカに磨かれた銅製の札を王城入り口にいた兵に告げる。


ちなみに門兵よりも2まわりほど強そうだ。

それでもゼグサ以下なのはいうまでもない


「後ろの方々は身分証の提示をお願いします」


俺とタルは軍に入隊するという理由で、ミリュはゼグサの付き添いでということで入城の許可をもらっているが、それでも身分証の提示は必要らしい。


ちなみにミリュは登録になんの実績も必要のない旅人としたため、ちゃんと身分証を持っている。


ゼグサの付き添いという形式にミリュは相当嫌がったのだが、俺が頼み込んでやっと承諾してくれた…何をそんなに嫌がる必要があるのだろうか

今日一番疲れた原因はそれかもしれない。



無事入城を認められ、俺とゼグサとタル、ミリュは無駄に豪華に飾られた城門を潜って中へと入った。


「やっぱり中も豪華だな」

「冒険者機関が実用性を求め、王城は見た目の豪華さを求めた結果であーるな」


朱色のカーペットにはシミひとつなく壁面は黄金で作ってあるかのようにギラギラしており、等間隔で置かれている甲冑は曇りひとつない純銀製だ。


「しかし、これだけ広いのに人の気配はほとんどないんだな。」

「国王はとにかく自分がいる領域に人を集めたがる人であーる」

「寂しがり屋ってことですか?」


ゼグサの回答に、タルが少し笑いながら言う


「城の中で自分がいない場所で陰口を言われていないか常に不安を感じているらしいのであーる」


1分くらい歩いて到着したのは、3階に1つだけある扉の前だった。

重々しく見える分厚い木製の扉は、きっと防音のためなのだろう。


「ところで…俺たちはどうすればいいんだ?」

「今更であーるな、まぁ入隊希望者の自己紹介があるからその時に名前をいうだけであーる、はいるのであーる」


扉を開けると室内は前いた世界の教室4つ分くらいの広さで中央最奥の一段上がった場所にはひときわ豪華そうな椅子に腰掛けて、暑くもないのに美女複数人からうちわのような葉っぱで仰がれている、小太りのジジイがいた。

小太りジジイの髪の色は苔や藻のようにも見えるエメラルドで、ほとんど肉だがうっすら見える瞳は淀んだ沼のようなブルー。


そのほかにもたくさんある席のほとんどはもう埋まっており、その中でポツンと4つ開けられた席にゼグサは向かって行った。


考えなくてもあの偉そうにしている小太り男がこのアズシン国の国王なのだろう。

まさに絵に描いたような駄王の姿そのものって感じで逆にびっくりするくらいだ。


座り順は王様のいる壇上が右側として、右からゼグサ、ミリュ、俺、タルの順だ。



「もうわかっているとは思うが、あの中央に座る方がアズシン国の国王」

うん知ってる

「クリード=アズシン、であーる!」


うん、誰それ?


ーーーーーーーーーーー

名前:フリード=アズシン

称号:裏切り者

魔力量:6500

スキル:誘惑(S) 掌握(A)催眠(A)拳王(A)心眼(B)

ーーーーーーーーーーー


今聞いた名前と、俺の鑑定で見れた名前が全然が違うんだけど…多分これを言ったらめっちゃくちゃ面倒なことになりそうなので黙っておこう。

それよりも俺が見なければいけないのはほかに山ほどある。


  王  (小太りジジイ)を取り囲む18人の美女!

  王  (クソじじい)の趣味がいいのか、Gカップクラスの巨乳からBカップの貧乳、顔立ちも童顔っぽいのから大人っぽいところまでよりどりみどり、それだけであれば高校の時のクラスと大差ない感じもするが、ここにいるのは庶民ではなく紛れもなく貴族として訓練をされた淑女たちなのだ。

相応の気品が体から溢れて…

あれ?


薄着で露出度の高い美女達をゆっくり見ていると、その中に一人王様に対して何もせず、寧ろ睨みつけているような表情の美少女がいた。


ツインテールの髪はツヤツヤで手入れが施されており、色はどこかで見たようなエメラルド色。そしてつり上がった目は海を切り取ったかのようなブルー。


ーーーーーーーーー

名前:レイーナ=アズシン

称号:反逆者

魔力量:4500

スキル:反撃(A) 剣の心得(B)成長促進(B)見通す力(C)

ーーーーーーーーーー


ステータスも少女にしてみれば相当高いものにも見える、まぁこの世界は年齢と見た目が一致しないからな。


しかし、アズシンか…

ってことは、所謂王家の血筋ってやつだろうな…めちゃくちゃ(くそデブ)を睨んでいるけど。


「では、これより定期報告会議を始める!」


俺たちよりも遅い人は何人か居たものの、用意されて居た席が全て埋まることはなく、太陽が完全に沈みきった頃合で、王様の目の前に居た見た目60歳くらいの渋いダンディなおっさんがハリのある声で開始の言葉を発した。


会議が始まると、地獄のように暇をもてあますこととなった。

特に話すことは単調で、異常なしや変化なし、税金の収入はいくらで、国へ入れられる金額はこれくらいと言った感じで誰一人として管轄内の人間の話はしなかった。


王様の方は特に興味もなさそうで、時々美女の体を揉みしだいたりしている。

全く真面目な会議中になんつー羨ましいことを!!


そんなことを思いながら下唇を噛みしめていると、隣に座っているミリュが俺の手を掴んで、自分の足の方へと少し強引に引っ張った。

机があるせいで他の人からは見えないが、今俺の手には吸い付くようにきめ細かい素肌のミリュの足に触れている。

あの龍の時に触れた鱗とは全く違い、エイミアの胸とはまた違う触り心地がミリュの足にはあった。

ミリュから促されたのだから、思う存分触ってやろう。


そんな意気込みで触り始めたものだから、周囲のことが全く耳に入らなくなりただ足を触っているだけなのにミリュが必死に声を押し殺していることにも気づかなかった。


1時間くらいはそうしていただろう

まだ触っていたかったのだが、ゼグサに肩を叩かれてあたりを見回すと、ミリュの足に夢中になっていたことがバレたのか、俺へと視線が集まっている。


「何をしているのであーる?自己紹介をするのであーる」


バレてなかったようだ。


さて、面倒だから端的に済ませるか

「俺の名前はケンヤ、今日狩人登録を済ませた新人だ、よろしく頼む」


よし!これで十分だろ

そう俺の中では自身満々だったが、ゼグサは額に手を当てて下を向いている。

なんかしたのだろうか?


「ふふっ!やはり面白い男だな君は」


と今日知り合ったばかりの美少女、もとい破壊のマリアさんが豪快な笑い声をあげた。

視線は一瞬にしてマリアさんの方へと集まる

室内の所々では、あの(・・)マリアの知り合いだと!?

などという言葉が細々と聞こえる。

だが、マリアさんのよく通る声が全ての声を巻き込んでしまう


「この男は、私の夫豪腕のスタインを圧倒する強さを持つ優秀な戦士だ!だから是非とも私の方から入隊を推薦しできれば私の直属としたい!」


なんだと!

めちゃくちゃ強い美少女から直々にお誘いを受けてしまった。

だが、あまりにもべた褒めするせいで、先ほどよりも凄まじい注目を集めてしまった。


「まさか、このような弱そうな男に負けるとは、無駄筋肉のスタインも随分廃れたもんだ」

嫌味ったらしいにやけヅラを見せながら、禿げそうなほどオールバックの銀髪男は挑発的なことを発する。

その挑発は物の見事に成功し、額に青筋を浮かべたマリアさんは今にも飛びかかりそうだ


「人を愚弄するのはやめろリムド、自らの小ささを露呈するようなものだぞ」

開始の言葉を発したダンディなおっさんが、すごい剣幕で止めに行くと一瞬にして空気が静まり返る。

それのおかげで俺に集まっていた 注目が霧散していきそのあとは特に何かがあるわけでもなく会議は終了した。


「それじゃあ、軍の方へと行くであーる」

「ゼグサ軍曹長、クリード王が呼んでおられる、付き添いの女性も一緒に来るように」


部屋から出ようと立ち上がった時、兵の中でもさらに強そうだが表情は一切わからない黒装束の男が声をかけてきた。

顔まで全部覆われて、その服か何かに阻害系の付与がされているのか俺の鑑定スキルですらその男の正体がわからなかった。

だがものすごく強そうなのことと、男ということがわかった。


すでに俺はそいつへの興味を完全に失っていた。

感想&評価よろしくお願いします。

2600PV行きました本当にありがとうございます。

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