表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
壊れた時計は直せない  作者: セッカ
7/23

出てくるのは嘘ばかりで

私は今悩んでいる。

そう、手紙のこと。

死んだわけではないので、

書きづらいのだ。

どうしよう。


愛してるは重い?

好きは軽い?

普段言うと

緊張する言葉。

なのに、

最後の手紙となると

軽かったり重かったりする。

凄く大事なもの。

印象に残るように、

笑ってくれるように。


「よし。」


一生懸命考えて、

いざ書こうとした時だ。


「あ、あれ…」


利き手が思うように

動かない。

文字が歪んでいく。


何でなの。

いつもそうだ。

やりたい事があった時、

やらなくてはいけない時。

自分の中の何かが拒んで

結局何もなしに終わってしまう。


だめだ。

お願い。

今回だけはどうしても。

震える手を支えて書く。


そんな私を笑うかのように

光が差し込んできた。

悔しくなって

カーテンに手を伸ばす。

ふと、窓を見ると

反射した自分が映っていた。

必死で、手を支えている姿。


「あ、ああ…」


変わってしまった。


自分の醜さに泣いた。

涙を止めようとしたけれど、

止まらなくて、

辛くて、情けなくて。

馬鹿みたいだ。


すると……


「コンコン」


ノックの音がしてきた。

手紙を布団に隠して、


「どうぞ」


と返事をした。


開いたドアの先には彼の姿。

電話をした時、

病院の場所を教えたような…

お見舞いに来てくれたのかな?


彼は私の姿を見たあと、


「風邪、こじらせすぎ。」


と笑った。

バレてはいないみたい。


「うん、確かにね」


嘘つきな私が言った言葉に、

彼は安心したようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ