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ああ、胸騒ぎ
僕にとって、
彼女は幸せをくれる存在。
そんな彼女が余命宣告された。
半年なんて、
何回過ごしてきただろうか。
今までと違う半年。
何よりも大切な半年間。
あーあ。
彼女の方が辛いのは
僕が一番分かってるの。
なのに、何でだろうな。
どうしても、
涙が出てくるんだよ。
いつ、悪くなっても。
いつ、いなくなっても。
おかしくないと思うとさ。
苦しくて、嫌で。
情けない。
でも…
ダメだ、ダメだよ。
彼女が笑っているのに、
僕が泣いていてどうするんだ。
涙を拭いた。
よし、彼女に会いに行こう。
外と違って病院は、
薬の匂いと人の悲しみを
かき集めたような空気。
日の当たる部屋、
ドアを開けた。
「千夏!」
軽い気持ちで、来たつもり。
また、楽しめると思った。
でも、現実は甘くはなくて。
苦しそうな千夏、
慌てる医者。
重苦しくてざわざわしている。
「え…千夏……?」
神様。
どうしてあなたは
なんの罪もない
千夏を苦しめるのですか。
どうして
千夏じゃなければ
いけなかったのですか。




