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笑顔が霞んでいくようで
「かなり悪化
しているらしい。
余命は…半年も…」
半年。
たった六ヶ月。
前までの青空は
一番遠くて届かなかった。
でも今は、
一番遠いはずがすぐそこに見える。
時計はいつか、
壊れてしまうものだから
仕方ないね。
だったらもう、
死ぬ気で生きよう。
「私の死ぬ時は笑って。」
笑顔を作った。
彼は泣き虫だったから、
私の死に際も泣くだろう。
だけど、笑ってほしい。
「そしたら君はどうなるの?」
彼が聞いた。
「笑って空を飛べるかな」
答えた私に彼は
「うん、そうするよ。」
と笑って約束してくれた。
ああ、これで。
なんの悔いもなく死ねるのだ。
「また来世も好きになってよ?」
「そうする。」
そうする。
なんて言ったけれど
姿が霞んでいくようで、
忘れてしまいそうで、
そんな気がした。
いっそのこと、
忘れてしまうことすら
忘れてしまおうか。
そして今日も
そう思える様に、
私は笑うんだ。
「ありがとう」




