僕の思いを、
ああ、やっぱり。ここにいる気がしたんだ。なんとなくだけど、そんな気がして、僕は真っ先にここにきた。
2人で星空を見上げたこの場所。
「灯…」
振り向いた灯はどこかいつもより大人びて見えて…
「陽…なんでここに…」
「灯がここにいるような気がして」
えっ、と灯の口が動く。
「灯、聴いて?」
僕は灯をまっすぐに見つめる。
ああ、灯に出会わなければ、誰かを見つめるなんてこと一生しなかったかもしれない。
「灯、僕を天文部に誘ってくれてありがとう。月食を見に連れて行ってくれてありがとう。一緒にお弁当食べてくれてありがとう。陽って呼んでくれてありがとう。話してくれてありがとう。
僕と……
僕と出会ってくれて、ありがとう。」
「今まで言えなかったありがとう全部。」
そんなことを言いながら、僕はなんだか照れくさかった。
「それから…ごめん。僕、なにも分かっていなかった。灯のことも、自分のことも。」
「あと…これから言うことが一番聴いていて欲しいこと。」
そう言って、僕は灯に近づいた。絶対に聴いて欲しかった。だから、
「灯、好き」
そう、僕は灯の耳元で囁いた。
日が暮れてしまっていてちゃんとは見えないけれど、灯が真っ赤になっているのがわかった。
「僕、ずっと灯が好きだった。なのに気づいてなかったんだ。自分の気持ちに。…遅くなって、ごめん」
その言葉に、灯はぶんぶんと首をふる。
「ううん、いいの。いいの。私もね、陽に友達できたから、じゃあ私はお邪魔かなって思って…でもやっぱり、陽がいないとさみしくてっ…ごめんね、ごめんねっ…」
そう言って灯は涙をこぼす。その姿があまりにも愛おしくて…僕は灯を優しく抱きしめていた。
「灯、好き」
「うん。私も陽が好き」
空に輝く星は、あまりにも美しくて…




