第7話「AZUMIとの出会い」
富士スピードウェイ、パドック内のレストラン。
ここで菜央はバイトをしていた。
「…」
菜央は黙々と机の上にある食器を片付けていく。
そして、コースが見える席に向かう。
そこからはスポーツカーやF4といったレーシングカーが駆け抜けていくのが見えた。
「…いいなぁ、私も1か月前まではあそこを走っていたんだもんな…」
その時、100Rを立ち上がり、ADVANコーナーに飛び込んできた1台のF4が見えた。
「なんだ、あのライン取り。下手くそすぎ。ブレーキのタイミングも合ってない。あれじゃあタイムをロスしちゃう。」
そのマシンはそのままふらふらとADVANコーナーを脱出していく。
その頃ピットでは…
「梨音、現状ここが不安定だね」
瀬成が2人がメモしたものをテーブルの上に並べる。
「全体的に走りは安定していてOK。だけど、一番の課題はスープラコーナーだね。」
「さっき私がオーバーランしていったところですか?」
「そう、あそこ」
「もう少し減速してからの方がいいよ」
「私的に減速が少ない方が速いと思って…」
「たしかにそれが通用することもある。でも、だいたいはしっかり速度を落として安定してコーナーを駆け抜けていくのが一番だ。」
「わかりました」
「さぁ、もう一回行ってらっしゃい!」
もう一度F4をコースに送り出す。
2人はまたさっき見た地点に移動し、走りを見守る。
そして、マシンはレストランの前をもう一度通過していく。
それを見ていた菜央は驚く。
「え?さっきより確実に安定してきてるじゃん。え、同じドライバーが乗ってるのかな」
その時、一つの席で食事をしていたおじさんに声をかけられた。
「そこのお姉さん、どうした?うちのクルマ、気になるかい?」
「あのF4、おじさんのなの?」
「あぁ。私が代表のチームの車だからな。」
「どこのチーム?だいたいのチームはうちもわかるよ」
「AZUMI、AZUMI Racingだ。」
「!?」
あの、大野瀬成と織田蓮真、石井颯という天才3人を輩出したあのAZUMI!?
「おじさん、安住信治?」
「よくぞ、ご存知で。私がAZUMI Racingの代表だ。」




