第35話「真の復活」
今回の予選で注目されているドライバーはいつも通り菜央、関城、そしてRESA Grand Prixの周、アリル、ERX racingの2人がトップ10の一部を固めようとしていた。
しかし、その牙城を崩そうとしていたマシンが1台いた。
〈さぁ!相田梨音がセクター1、2で最速をマークしています!このまま行ければKYOJOのコースレコードを新たに樹立できる可能性が出てきましたぁ!〉
実況も興奮気味。
90号車が疾走していく。
あの日オーバーランしていったGRスープラコーナーも飛び出すことなく丁寧に曲がっていく。
最終コーナーも丁寧に曲がり、そのまま加速。
タイムは…
〈トップだぁ!!ただ、コースレコードには届きませんでしたぁ!〉
惜しくもコースレコード更新にはならなかった。
そしてすぐに後ろから来た周がタイムを更新する。
〈中国からの刺客、周静麗がさらにタイムを更新!コースレコード樹立〜!なんと第4大会の予選でどんでもない戦いが繰り広げられています!〉
「ったぁ〜、やっぱ周速いなぁ〜」
安住が頭を抱える。
「でも、梨音が2位、菜央も3位。速さとしては申し分ないな。」
全車のタイムが表示されるモニターを見る。
予選が終了し、トップ3のマシンが誘導される。
周が降り、外したステアリングを戻していた。
その両隣で菜央と梨音がマシンを降りていた。
「菜央先輩!やった!私2位!」
「よく頑張ったね、梨音」
「あなたの走り、見させてもらったけど、光るものがあるわ」
そう声をかけてきたのはポールポジションを獲得した周だ。
「えっと…」
「周静麗。ジョウとでも呼んで。」
「あ、どうも。」
「あなた、梨音だったかしら。走りとてもよかったわ。まだ拙いところはあるけれど、コーナーも安定していて他のドライバーにも負けないと思うわ。次の大会くらいで優勝できるかもね。」
「えへへ、ありがとう!」




