第3話「もう1人の主人公」
富士スピードウェイ。
ここでは現在、KYOJO CUPが開催されている。
〈今大会の優勝もシャークレーシングの作間菜央!!圧倒的走りで他を寄せ付けません!〉
真っ黒なボディにオレンジのラインがあしらわれたVITA-01が駆け抜けていく。
レースが終わり、マシンがピットに戻って来る。
「菜央、今回も圧勝だな」
「当然です。私の目標はチャンピオンと、愛先輩みたいなレーサーになることなので。」
そう会話するのはシャークレーシングの代表と今回のもう1人の主人公、作間菜央だ。
その後ろで悔しそうに見ていたのはシャークレーシングのもう1人のドライバーである関城エリカ。
「…あいつを…あいつをこのチームから追い出せれば…」
彼女は作間とは成績面でよく比べられ、フラストレーションがたまり続けていた。
ちなみにだが、このシャークレーシングはセルモの育成請負チームであり、ここで高成績を残すとセルモのKYOJOチームやスーパーフォーミュラにもつながってくる。
月日は流れ、KYOJO CUP最終戦。
〈作間菜央!!圧倒的だぁー!今シーズンのチャンピオンを獲得しましたぁ!!〉
作間はこの大会でついに2度目のチャンピオンを手にした。
いつもは冷静に振る舞う菜央も今回だけは喜びを抑えきれない。
「〜っよっしゃぁ!」
そのまま待っていたメカニックたちと喜びを分かち合う。
「おめでとう、菜央。2回目のチャンピオンだ」
「ありがとうございます!」
「ッ…」
それをよく思っていなかったのはやはり関城。
「あいつさえいなければ…あいつさえ…」
そして関城は思いも寄らない行動に出る。




