第28話「梨音、ナイトセッションスタート」
「いいか、梨音、さっきの昼間のスティントとは全然違うからな。深夜は光も最低限で見え方が全然違う。接触とか気をつけろよ」
「わかりました!大野先輩!」
231号車が戻って来る。
この時点での順位はクラス5位。
12位からかなり順位を上げた。
あと前の2台を捉えることができれば表彰台の可能性も大きく近づく。
菜央が降りたシートに梨音が滑り込む。
「接触の影響はないから、そのまま全開で行っていいよ!」
「わかりました!」
BRZがジャッキダウンする。
そして、梨音が闇夜の中に走り出していく。
『今、気温も涼しくなってきてるからね。路面温度に注意。現在路面温度が28℃、気温が24℃。』
「りょーかーい」
1コーナーに飛び込んでいく。
目の前にはちょうど4位のマシンがいた。
「これ、距離しだいでは追い抜けるかも…」
そのまま、4位のマシンの後ろにぴったりくっつき、周回を重ねていく。
富士名物、1.5kmのロングストレートに戻ってくる。
みるみるうちにスリップストリームの効果で差がつまっていく。
2台が勢いよく1コーナーに飛び込んでくる。
立ち上がり重視のライン取りをした梨音が4位のマシンをオーバーテイク。
「よぉし!」
「いいぞ!」
ピットも大盛り上がり。
そしてそのまま走行を続け、気づけば東の空が明るくなり始めていた。
『OK、梨音、日の出が近いから交代だ!このまま颯につなぐよ』
「はーい」
颯にバトンパスし、梨音がピットに戻ってくる。
「おつかれ〜!」
「いや〜、疲れました〜。夜間走行かなりきついです…」
「まぁ、今回が初めてだもんな。」
「頑張った!まぁ仮眠でもとっておいで」
「はーい、おやすみなさーい」




