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第19話「適応」

30分後。

「セクター1はこのパネルの緑のスイッチを押す。んで、セクター2はその下の青のスイッチ、セクター3はまた緑のスイッチを押すこと」

「わかった!」


231のゼッケンをつけたBRZがコースインしていく。


『こちら日野森、無線の調子はどうかな?』

「クリアでーす!聞こえます」


『そのADVANコーナーを脱出したら押すのはわかってるね?』

「青のスイッチですよね?」

『そうだ』


梨音は青のボタンを押す。


『それでブレーキバランスが自動的に乗りやすいものに切り替わる』

「はーい」



ダンロップコーナーに231号車が来る。

富士スピードウェイでも1、2を争うフルブレーキングが要求されるコーナー。


梨音がブレーキペダルを思いっきり踏み込む。

そして、アニメでよく見るヒール・アンド・トゥを試してみる。


しかし、回転数が合わず、どこかギクシャクしたブレーキングになる。



マシンに慣れながら、周回を重ねる。



『この周でピット、この周でピット』

日野森からピットインの指示が出される。


最終コーナーを立ち上がり、ピットレーンに向かう。


ピットに来るとメカニックがエアジャッキのノズルをマシンに挿入する。

すると、BRZの車体下部から窒素が送られたことでジャッキが出る。

マシンが持ち上がり、台車が車体下部に入れられる。


メカニックたちがピットにBRZを戻す。


マシンを降り、日野森、大野、石井に走ってみての感想を伝える。


「あのセッティング、かなりコーナーを安定して踏んでいけるのでいいかもです。ただ、セクター2でちょっとリアが滑りすぎてるかも…」

「じゃあ、ブレーキの効きが強すぎるのか…わかった、そこを調整しておいてもらう。」


「あとは?」

「あとは大丈夫です。残りは私の技量の問題だと思います」

「はいよー。」


日野森たちはマシンを整備し始めた。


「梨音、さっき、ダンロップコーナーでなんか変なことしたか?」

「あ、大野先輩、実はさっきヒール・アンド・トゥを試してみたんです」

「だからか。なんか走りがぎこちなかったからな」


「だったら…」

と、大野がヒール・アンド・トゥのコツを教えてくれる。


その後、大野、石井、作間のレースの経験が長い3人がマシンのセッティングを煮詰めていく。


夜間走行も終え、1日を終える。

気づけば時計は10時を回ろうとしていた。


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