第17話「コピー」
「追い抜きってああすればいいのかな…」
梨音の目の前では8位7位争いが激化していた。
8位のマシンが1コーナーで7位のマシンのイン側にマシンを入れる。
そして、コーナーからの加速勝負で8位のマシンが7位に順位を上げる。
「よし!やってみよう!」
梨音は8位のマシンの後ろでジリジリと差を詰め、ダンロップコーナーで勝負に出る。
「ここ!」
90号車が8位のマシンの後ろから飛び出す。
ブレーキングを開始する。
時速約200km/hから減速を開始。
パドルシフトを叩く。
モニターの真ん中に表示された数字がどんどん小さくなっていく。
そして一気にコーナーを曲がる。
この瞬間、8位だったマシンの加速が鈍り、梨音が前に出る。
これで8位浮上。
しかし、レースはこれで終わりを迎えることに。
10周が終了。
『梨音、お疲れ様、8位、8位だ、初参戦でポイント獲得はすごいぞ!よくがんばった』
「安住代表、ありがとうございます。ただ、やっぱり、表彰台を目指していきたいです!」
『そうだな。第2戦以降頑張っていこう!』
この大会の優勝はシャークレーシングのハンナ・グレアム。
関城が優勝だったものの、菜央との接触でペナルティが課せられたため、降格となった。
そして、梨音がピットに向かっているころ、スーパーフォーミュラライツでのレースを終えていた瀬成とリタイアとなった菜央が話し合っていた。
「私としては、レースの経験が乏しい梨音にもっとレースをしてもらいたいんです」
「そうだよね〜。まだ、歴どのくらいよ?」
「去年の12月に初めてF4でテストしたって言ってたんで、まだ4ヶ月くらいじゃないですかね。」
「それなら、やっぱ数は経験しておいたほうがいいよなぁ。」
その時、瀬成はひらめく。
「じゃあさ、梨音と颯も含めてスーパー耐久出てみない?」
「!」




