14/14
第14話「関城と作間」
『30秒経過、2台を出してくれ』
その指示の直後、メカニックがGOサインを出し、送り出す。
90号車を先頭に2台の小さな集団がコースインしていく。
〈さぁ!シャークレーシング関城ユリカがタイムをさらに更新!!トップタイムを更新し続けています!他のチームは手も足も出ません!ですが…!今季初参戦のAZUMIRacingに移籍した作間菜央が関城のタイムに肉薄している!〉
梨音は自分のできる走りをし、菜央はマシンとの対話を重ね、さらに限界に迫っていく。
互いにできることをできるところまで進めていた。
そして予選も残り30秒。
トップは関城。
菜央もコンマ数秒差であるため、この1周次第では逆転ポールポジションもあり得る。
みんなが期待の眼差しで菜央の走りを見守る。
100Rに差し掛かった時、菜央の目の前に見えたのは関城の73号車。
「頼むよ、関城…何もしないでね…」
73号車と91号車の差がじりじりと詰まっていく。
「頼むよ、進路譲ってくれ…」
しかし、関城は譲る素振りを見せない。
「なんでどかないの!これだめでしょ!!」
菜央は怒りをあらわにする。
怒りが抑えきれず、HALO(頭部保護デバイス)を思わず叩いてしまう。
結果、菜央は逆転ならず。
関城がトップタイムを記録。
菜央は惜しくも2位だった。
梨音も善戦し、9位で予選を終えた。




