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オッサン、ランドセルを背負う。

俺の名前は田中幸司。45歳。IT企業に勤める中年サラリーマンだ。

『――お前の願いかなえてやろう......』

頭の中に声が響く。

誰だ。

『――俺は神だ』


やわらかい春の音で目が覚める。俺は......確か会社のデスクで......仕事をしていて......ここはどこだ......

さらりとした髪。小さな体。

目が覚めたら俺は

小学生の女の子、藤原みゆきになっていた!?

まぶしい光がまぶたを焼いた。

カーテンの隙間から朝の陽ざしが部屋に差し込んでいる。

布団の匂いが昨日の夜とはまるで違う。


……甘い。柔軟剤? いやそれどころじゃない。


俺は......いや。ここはどこだ?

あぁそうだ。俺はあの日生まれ変わったんだった。


そう。夢のような話、いやもしかしたら夢ではなかったのかもしれない。


あの日。俺は神様とかいうやつに「願いを叶えてやろう」と言われて――

気づけば小学一年生の女の子になっていた。

確か......公園で無邪気に遊ぶ子供たちを見ながら。

(あの頃に戻れたらいいのにな......)

なんて願ったような......

『その願いかなえてやろう』


そんな声が聞こえたような気がしたようなしなかったような......


思い出せない。


それが数日前の話だ。

****************************************************************************


「みゆきー! 起きなさーい!」


リビングから母親の声が聞こえた。

……いや厳密には俺の母親じゃない、“この子”の母親だ。



俺は田中幸司。45歳。IT企業に勤める中年サラリーマン。

ある日の朝、気が付いたら小学校1年生の女の子、藤原みゆきになっていた。


これはもしや異世界転生とかいうやつか?

いや。異世界じゃないな。どちらかというとタイムスリップだ。

カレンダーを見た時びっくりして思わずこれが出てしまった。

せ、1985年!?40年前じゃないか。


あとなぜか性別まで変わってしまっている。


すぐに母親に返事をしようと思ったが

喉の奥がカラカラに乾いていていい具合に声が出ない。

そもそも自分が娘として返事をすることにいまだに違和感がぬぐえなかった。


目をこすりながら体を起こす。

布団をめくると、小さな腕、小さな足。

何度見ても、どうしても慣れない。信じられない。


「……マジかよ。これ、ほんとに俺なのか……?」


はじめて自分自身の姿を見たときはショックのあまりしばらく声を失ったほどだった。


からだも声も。ひとつひとつ。すべてのことが信じられなくて。

いちいちショックを受けた。

気持ちの整理なんてそう簡単にできるもんじゃない。

俺が運命を受け入れる、というか今でも全部受け入れられてるわけではないんだが......。



「みゆきー?起きてるのー?」


「は、はーい!」

何度目かの母親の問いかけになんとか返事をする。早くいかないと。

俺はまだ眠い目をこすりながらリビングへ朝食を食べに向かった。


****************************************************************************


ちなみに今日から学校だ。

転生前、つまり俺自身の記憶はなぜか覚えているが、実はこの子の記憶は俺にはない。

寝ぼけたりとぼけたりしながら両親から情報を引き出した。

今は1985年4月10日。

幼稚園までを東京で過ごした俺たち家族は父親の転勤の都合で

香川に引っ越してきた。

転校の手続きや引っ越しに少々手間取ったらしく、入学式には間に合わず。

とはいえまだ入学したての状態での転校生が俺って感じだ。


朝食を済ませてから制服に着替えるために部屋に戻る。


着替えか。早く慣れないとな...

とパジャマのボタンに手をかけた。


ちなみに転生初日はそりゃもう大変だった。

ただ服を脱ぐだけ――それだけのことなのに。

まるで“誰かの秘密を覗いている”ような気分になった。


謎の罪悪感。

ボタンを一つ外すたびに背中のあたりがぞわりと冷たくなる感覚だった。


「……これ、ほんとに俺の体……だよな」

何度言い聞かせてもどうしても違和感が消えなかった。


タンスを開けると引き出しの中に並ぶのはカラフルでかわいい小さな下着。

ピンク、水色、花柄。

それらがまるでおもちゃみたいに整然と並んでいる。


手を伸ばすのが怖かった。だってこれは“女の子のもの”だ。

俺が触れていいものじゃない――

そんな考えが、頭の奥から離れなかった。


「……いや落ち着け。これは今の俺の物だ」


深呼吸をしてそっと手を伸ばした。指先が触れる。柔らかい布の感触。

その瞬間、罪の意識が背筋に電気が走ったように心拍が跳ねた。


胸の奥がざわざわして、どうしていいかわからない。

「俺は何をやってるんだ……?」

とつぶやくと、情けなさが込み上げてきた。



そんな数日前の初着替えを思い出しながら。

なんとか制服に着終えることができた。


白いブラウス、吊りスカート。そして黄色い帽子。

鏡に映るのは、見知らぬ少女。だが俺。

頬がふわりと赤くて、髪はショートだがとてもさらさらしていて。

――それが俺。

うん。脳がまだ理解を拒んでいる。


スカートの裾がふくらはぎに触れるたびに、

変な感じがする。

風が通る。

まるで全身が外にさらけ出されているような気分になった。

そういえばズボンばっかりはいてたから何気にスカートって初めてだな...


「……スースーする……これで外歩くのかよ」

思わず小声でつぶやく。


赤いランドセルを背負うと、背中が引っ張られてバランスが崩れた。

昔の記憶の中のランドセルよりずっと重い気がした。



玄関の前に立つ。

そこには小さな白い靴。

自分の足がその靴にすっぽり収まる。


ドアの向こうには昭和の朝の空気。

それだけで心臓がドクンと跳ねた。


「……ほんとに行くのか……?」


今にも逃げ出したい気分だ。

だがそのとき背中から声が飛ぶ。


「みゆき?なに玄関で固まってるんだ。早く行きなさい」


振り向くと父親――“みゆきの父”が立っていた。

新聞と通勤バッグをもって眉をしかめている。


「まぁ...初めての小学校だもんな。緊張するのも無理ないか」


そう言って俺の頭をポンポン軽く撫でるようにたたく。


「あ、う、うん……」


自分の声がやけに小さい。

まるで別人みたいだ。いや別人なんだけどさ。


父親がため息をついて言う。


「ほら。行くぞ」


その手が俺の手をつかんだ。

あたたかい。

ごつごつした大きな手。


なのに自分の手があまりにも小さくて、指がすっぽりと包まれてしまった。



胸が締めつけられるような、不思議な感覚。

“父親と手をつないで登校する”――

そんな当たり前の光景が、

どうしようもなく懐かしくてどこか切なさを思い出させた。


****************************************************************************


外に出る。

昭和の町並み。電柱のポスター。

牛乳瓶を回収する音。遠くで流れるラジオの音。


そのすべてがまるで過去の夢の中みたいで――

俺は罪悪感と戸惑いと、ほんの少しの懐かしさを胸に

小さな靴音を響かせながら歩き出した。


父親と手をつないで歩く知らない街並み。

この手をつなぐ距離感――まるで時が巻き戻ったような、不思議な温度だった。


「ほら、遅れるぞ」

「……う、うん」


ゆっくり歩いてくれるとはいえ大人と子供の歩幅だ。

俺が少し遅れそうになるたびに、そういいつつも優しくペースを合わせてくれる。

それは何ともいえない自然な優しさだった。


目線の高さが低い。

景色のすべてが大きく見える。

ランドセルが背中にずっしり重い。

――俺、本当に“子ども”なんだな。


胸の中でそんな言葉を何度も繰り返しながら、

父親と学校の門をくぐった。


小学校の昇降口。

壁には「1ねんせい ようこそ!」の紙飾りがあった。

絵の具のような匂い。まだ新しい上履きのゴムのような匂い。

その全部が懐かしくて、でもどこか怖い気がした。


父親が職員室の扉をノックする。

「失礼します。今日からお世話になります、藤原みゆきの父です」


中から出てきたのは、柔らかな雰囲気の女性。

白いブラウスに、淡いベージュのスカート。

髪を後ろで束ねた優しい顔立ち。


「まあ、あなたがみゆきさんね。はじめまして」

にこっと微笑むその表情に、一瞬、息が詰まった。


――先生。

ああ、若い女の先生だ。

この年齢で“先生に会う”のが、なんでこんなにドキドキするんだ。


「じゃあ、お父さんはここまでね。私が教室までご案内します」


先生が俺の手を取る。

その瞬間、心臓が跳ねた。

柔らかい手のひら。

小学生の“俺”の手を包む、ほんのりあたたかい指。


(おい落ち着け、これは教育的接触だ……教育的接触……!)


内心必死に言い訳をしながら、

俺はそのまま教室へと導かれていった。



****************************************************************************


ガラッ。

教室のドアが開く。


「はーい。みんな。新しいお友達が来ましたよー」


ざわ……ざわ……。

一斉に向けられる視線。

二十数人の子どもたちが丸い目でこちらを見つめている。


心臓の音が耳の中でドンドン響いた。


――会社の会議室で百人相手にプレゼンしたことだってある。

落ち着け。相手は小学生だ。子どもだ。


「じゃあ、みゆきさん。みんなに自己紹介、できるかな?」


先生にそっと背中を押されて教卓の横に立つ。

黒板の前。チョークの粉の匂い。

息がうまく吸えない。


そして気づいたら口が勝手に――


「オ、オッス!」


……しまった。


数秒の静寂。

次の瞬間。

「オッスだって!」「オッスだってー!」

教室に笑いが弾けた。


顔から血が上る。

全身が熱い。


「わ、笑わないの!」

先生がパン、と手を叩いて制する。

「みゆきさん、がんばれるかな?」


優しい声。

そして頭にぽんと置かれる手。


柔らかくて、温かくて。

子ども扱いされる感覚に心臓が破裂しそうになる。


「は、はい……」


(なんでだ……なんで俺、会社じゃ堂々と話せるのに……

 こんな簡単な自己紹介ひとつで……こんなに緊張してるんだ)


喉が詰まりながらも、なんとか言葉を絞り出す。


「……ふ、藤原みゆきです。よろしく……お願いします」


その瞬間教室が拍手に包まれた。


(あ……俺、今……小学生に拍手されてる……)

妙な現実感のなさに頭がぼんやりする。


「じゃあみゆきさんは......あそこの一番うしろの席ね」

先生に案内されて席に着く。落ち着かない。ちらちらと俺を見る視線がやけに強く感じた。

すると隣の席の女の子がにこっと笑った。

「みゆきちゃん、仲良くしてね!」


笑顔がまぶしい。

無邪気で、まっすぐで。

なんかもう、それだけで心が洗われるようだった。


「ぉ、おぅ……」


ついサラリーマン時代の癖で返してしまう。


「なんだかみゆきちゃんお父さんみたいな喋り方するね」


くすくす笑うその声がくすぐったくて。ちょっと恥ずかしくて。


(……ちがう、そうじゃない。

 もっと“女の子”っぽく喋らないと。

 この世界では俺は“藤原みゆき”なんだ)


赤い頬を両手で隠しながら、

心の中で何度も何度も自分に言い聞かせた。


****************************************************************************



キーンコーンカーンコーン。

新しいお友達、つまり俺が転校してきた最初の時間ということで。

1時間目の時間を丸ごと使って自己紹介タイムを作ってくれた。

ひとりひとり挨拶されたけど緊張するあまりほとんど頭に入ってないかもしれない。

隣の席の女の子は虹野あかねちゃんといった。同い年なんだけどどこかお姉ちゃんって感じの子だ。

(いや俺がお姉ちゃんって感じるのはおかしいだろ。どう考えても)


終業のチャイムが鳴った瞬間、

教室が一気にざわついた。


「ねえねえ、新しい子!」

「みゆきちゃんってどこから来たの?」

「好きな食べ物なにー?」


気づいたときにはもう遅かった。

机のまわりに子どもたちがわっと集まってくる。


まるで囲まれて尋問を受けているような気分だ。

いや尋問というより――好奇心の嵐。


「え、えっと……えーと……」


距離が近い。

近い。

近すぎる。


子どもってこんなにパーソナルスペースないのか!?

息がかかる距離で顔を覗きこまれるし、腕をつかまれるし。

どぎまぎしていると急に後ろから誰かがぎゅっと抱きついてきた。


「わっ!? え、ちょ、ちょっと待って……!」


心臓が暴走する。

こっちは中身おっさんだぞ!?

そんな近距離で目を見られたら――

理性がオーバーヒートする!!


「ほらー!もう!みゆきちゃん困っちゃってるよー!」


助け船の声。

振り向くと、隣の席のあの子――さっき笑ってくれたあかねちゃんが立っていた。

両手を広げて他の子たちを軽く押しのけながら

俺の方を見てにっこり笑う。


「大丈夫?」


その一言。やさしい。

だが。

その距離。

近い。顔が近い。


息が止まる。

まつげの長さまで見える距離。

(おい近い近い近い!!これキスできる距離じゃねえか!?)


「……う、うん」


声が裏返った。

あかねちゃんはふっと笑って

「よかった!」と安心したように微笑む。


その笑顔に周りの子たちがまた反応する。


「きゃー! みゆきちゃん顔まっかー!」

「かわいいー!!」


どっと笑い声が広がる。

もう無理。

顔から火が出そうだ。


(なんだこれ……俺、今完全に“かわいい”側の扱いされてる……!?)


社会人としてプレゼン百戦錬磨......ってわけでもないが。そんな俺が......

今は小学生の女の子に囲まれてタジタジ。

こんな状況、人生で一度も経験したことがない。


「……落ち着け。落ち着け俺……」

頭の中で何度も念じるが心臓のドクドクが全然止まらない。


キーンコーンカーンコーン

やっとのことで始業のチャイムが鳴り、

みんな自分の席に戻っていった。


「みゆきちゃん、大丈夫?」

またあかねちゃんがのぞきこんでくる。

その顔が近い。

やっぱり近い。

親切心なのはわかっている。それでも何か恥ずかしい。


「困ったことがあったら、いつでも聞いてね!

 わからないこととかも、ぜーんぶ教えてあげるから!」


「……う、うん」


心臓がまたどくんと跳ねた。


(やばいな……この距離感……

 “昭和の友情”ってこんなにもゼロ距離だったのか……)


頬の熱がまだ引かないまま、俺は机に突っ伏す。そして

「今日の一時間目、長すぎないか……」

と小さくつぶやいた。


****************************************************************************


次は算数の授業だった。

まだ教科書がないのであかねちゃんと机をくっつけて見せてもらうことになった。


机を近づけるとあかねちゃんがにこっと笑って言う。

「ね、これで見やすいでしょ!」


距離が近い。

いや近すぎる。

髪の毛の先が腕にかすかに触れる。

それだけで心臓が変なリズムを打つ。


「ここわかる?」「大丈夫?」「どこ読んでたっけ?」

そのたびに小声で話しかけてくる。

その声が、耳に近すぎて――くすぐったい。


黒板に先生がチョークを走らせる。

「二たす三は?」

元気よく手が上がる。

算数の授業はあまりにも懐かしく、そして眩しい。


俺にとっては簡単すぎるけれど、

この小さな世界ではこれが精いっぱいの挑戦なんだ。

そんなことを考えていたら――


「じゃあ次は……みゆきさん、わかるかな?」


急に当てられて心臓が止まりそうになる。

黒板には「5+7=」の文字。


「……えっと、じゅ、十二です」


少し声が裏返った。

すると先生がにっこりして拍手した。

「すごい! ちゃんとわかってるね!」

クラスのみんなもつられて拍手してくれる。

どうもくりあがりの計算はまだ習ってないところだったらしい。


「みゆきちゃんすごーい!」

「やるじゃん!」


顔が一気に熱くなる。

(な、なんだよ……みんな本気で褒めてくれてる……)

胸の奥がくすぐったくて、

でもなんだか恥ずかしいのに悪い気はしなかった。


****************************************************************************


そんな中。

ふと胸の奥に別の緊張が走った。

トイレ......行きたい。

そういえばさっきの休み時間、たくさんの女の子たちに囲まれたせいで行きそびれたんだった。


どうしようかと困っているうちに頭が真っ白になる。

ただ一言、トイレに行きたいと先生に言えばいいだけなのに。

なんでこんなこともできなくなってしまってるんだろう。


もじもじしているとあかねちゃんが小声でのぞきこんできた。

「ねえ、どうかした? ……もしかして、トイレ?」


どきっとした。

なんでわかったんだろう。小さくコクリとうなずく。

「先生ー!」

「はい、あかねさん、どうかした?」

彼女はすぐにすっと手を挙げてくれた。


「えっと、みゆきちゃんと一緒におトイレ行ってきてもいいですか?」


「いいわよ。転校したばっかりだしね...わからないと困るものね」


先生が微笑んでいってらっしゃいと送り出してくれた。


あかねちゃんに手をひかれるような形で一緒に廊下を歩く。

歩きながらあかねちゃんが少し得意げに言った。


「わたしね、三つ上にお姉ちゃんがいるんだ。

 だから困ってるとこ見ると放っとけないの。」


「……ありがとう」

そう言うと彼女は嬉しそうに笑った。


トイレの前で待っててくれるというのでお礼を言って中に入る。

その間も今より小さい時お姉ちゃんにお世話してもらった話。お姉ちゃんがやさしい話。

いろんな話をトイレの壁越しに聞かせてくれた。


トイレを終え手を洗いつつ鏡に映る自分をみる。

そんな自分自身を見て改めて実感させられる。

小さな肩、細い手。そして女子の制服。

俺――ほんとうに、女の子なんだな。

俺の周りでわちゃわちゃしてた女の子たちと同じくらいの。


どうしてもまだ受け入れがたい事実だ。


手を洗い終わると、あかねちゃんが「おかえり!」と待っていてくれた。

その声がやけに明るく響いて、思わず笑ってしまった。


(……この子、ほんとにいい子だな)


小さな手をつないで教室に戻る。

ほんの数分の出来事なのに、

なぜだろう――心が少し軽くなった気がした。


****************************************************************************


キーンコーンカーンコーン。

授業が終わって休み時間に突入する。

「はーい、みなさん。次は体育ですよー。体操服に着替えてからお外に行きましょうね」

先生の声にクラス中がざわつく。

その声を合図にみんなそれぞれカバンから白シャツと――紺色のブルマを取り出し着替え始めた。


(ま、まさか……この時代、いや。この時代だからこそブルマがまだ現役なのか……!)


心の準備が追いつかないまま、俺もおずおずとカバンの中に手に入れた。

そこには母親が用意してくれていた体操服一式が入っている。



(これを...俺が...着る...!?)


「みゆきちゃーん!行こー!」

すでに着替え終わったあかねちゃんが声をかけてくれた。


「あ......え......うん。」


挙動不審な返事をする俺をあかねちゃんは笑顔のまま、不思議そうにのぞき込んできた。


「みゆきちゃん?大丈夫?」



大丈夫じゃなぁぁぁぁい!!!


俺は両手でぎゅっとブルマを握り締めて、覚悟を決めた。



続く

初投稿です。

つたない文章ですが読んでいただけると幸いです。


次回!

オッサン、ブルマデビューする。


お楽しみに!

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