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タピア公爵領

炎と薔薇の物語を読んでくださっている皆様へ


随分と長い間更新できずすみませんでした。

この作品はとても読みづらい構成になってしまいすみません。

まだまだ足りないところが多いですが、とりあえずのアップです。


本日感想をいただき、読んでくださる方がいるならばとアップしようと決めました。




ありがとうございます。


ねここ




久しぶりに領地に戻ったクララは愕然とした。豊かだった領地が荒れ果て、領地民は領地から去ってしまいほとんど人がいない死んだ街となっていた。クララはセリオから帝国の馬車で帰るように言われそうしたのだが、これがタピア家の馬車だったら残っている領地民に襲われるとわかるほど全てが荒んでいた。公爵邸は高台にあり、帝国の兵士が取り囲んでいる。クララの馬車が到着すると兵士は整列しクララを迎えた。クララは公爵家を見てさらに愕然とした。美しかった公爵家は廃墟に近かった。使用人もおらず草木は伸び放題。

クララはその様子を見てため息を吐き、邸宅の玄関を開けた。中は暗く人の気配はない。しかしどこかにタピア一族がいるはずだ。あの日全ての一族は帝国兵に捕まりここに集められた。

 クララは大広間に向かった。広間を開けると焼けた骸が山積みにされていた。クララは目を背け湧き上がる吐き気を堪え広間を出た。レオンの仕業だ。この状況に陥ったことを一族に責められ感情のままに一族を殺したのだ。許せない。クララは両手を握りしめレオンの部屋に向かった。


 レオンの部屋に入ろうとした瞬間「ケルマ」と呪文が聞こえドアノブが燃えた。

 こんな低温の炎で攻撃するとはレオンは本気でタピア家当主になるつもりだったの?クララは燃えるドアに触れた。この程度の炎は火傷もしない。


「ジャーマ」部屋に入ると又もや炎の攻撃を受けたがクララの髪の毛一つ燃やすことも出来ない。

 圧倒的な魔力の差。クララは部屋のベットに腰掛け震えるレオンに言った。

「レオン、お父様とお母様はどちらに?」クララの言葉を聞いたレオンは突然泣き出し言った。「お父様とお母様は私が守る!姉上、魔法石は私が持っているんだ」レオンは涙を流しながら立ち上がりクララを睨みつけた。


「ハァ、探す手間が省けました。渡しなさい」クララはこの状況になっても自分の立場を理解しないレオンに呆れため息をはいた。「誰がお前に渡すか!」レオンはクララを睨んだ。


 「残念ですが、私はお父様とお母様とレオンの首を持って帰らなければなりません。」クララはそう言い「ケルマ」と呪文を唱えレオンの大きなベットを燃やした。そのベットの下にウーゴとマカレナが隠れていた。体を丸め震える二人の姿はとても小さく見える。こんな人達を怖がっていたのね。クララは二人の前に立った。


「私の本当のお母様を殺して一緒になったお二人に復讐の機会を与えて下さったミラネス王家に感謝いたします」

クララはそう言って二人を見つめた。一方レオンは恐怖に体を震えながらクララに言った。「お前は幼い頃に母上とお腹の中にいる私を殺そうとした!そんな人間が当主になれるわけがない!」クララはその言葉を聞き忘れていた記憶を思い出した。「ああ、そんな事があったわね。お義母様が私を愛し育ててくれたと言う嘘、私が池に突き落としたと言って嘘、お父様は信じて下さらなかった。私は何度も嘘つき呼ばわりされました。お義母様はさぞ満足されたでしょう?」クララはマカレナを睨み唇を結んだ。

 「クララ、違うんだ、あれは、、私がこの女に、、クララお前と私は血が繋がっているだろ?お父様を許してくれ、本当はお母様を愛していたんだ。だけどこの女に唆され、、」「言いたいことはそれだけでしょうか?美しいタピアがこんな荒れ果てた領地になっても自分のことばかりおっしゃる当主は本当の当主ではありません」クララはそういってレオンに向かって「フェルド」と唱えた。するとレオンの洋服が燃えポケットに入っていた三つの魔法石がクララの足元に転がり落ちてきた。クララはその魔法石を拾った。その時、魔法石が輝きクララをタピア家当主と認めた。「これで私は当主と認められました。今からあなた達の首をもらいます」クララはそう言って「エバポラシオン」と唱えると三人の体は蒸発し首だけ転がり落ちた。三人の首を袋に入れ公爵家を出た。エントランスを出てクララは公爵家を振り返り「セニサ」と言った。その瞬間公爵家は灰になり広い邸宅跡地が残った。


 クララはまた馬車に乗り込み帝都に戻った。

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