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朝食


クララは用意された制服に着替え昨夜食事をした場所にカルメラと共に行った。その制服は白のブラウスと真紅のコート,トラウザーパンツに黒いロングブーツで真紅のリボンが襟についていた。おそらくタピア家はこの色だと思った。昨日と同じ場所に腰掛け待っているとグロリアが入ってきた。「グロリアおはようございます」クララはグロリアに挨拶をした。グロリアは眠そうな顔をして「レオン、おはよう、眠いわぁ」と言って昨夜と同じ場所に座った。グロリアの制服は上は同じ、下はロングスカートだ。そして思った通りグロリアのコートとリボンは,水色だった。


 カルロスとダフネも来た。「おはようございます、カルロス,ダフネ」クララは笑顔で挨拶をすると「おはようレオン、俺二日酔いだよ」カルロスが頭を押さえて顰めっ面で隣に腰掛けた。ダフネは「レオンおはよう、朝から爽やかね!」と言ってウィンクをした。ダフネって魅力的な人だわ!クララはどこか色気があるダフネは男性にモテそうだと思った。


「全員起立!」


突然セリオが号令をかけた。昨日から不思議に思っているが、セリオはいつこの部屋に来たんだろうと不思議に思う。気がつくといる。入り口からリアナが入ってきた。リアナはオフホワイトの制服だった。リボンも白。金色の髪と濃紺の瞳がオフホワイトの制服に映えて一人だけ異世界の人のように見えた。自分が本当の男性だったら崇拝に近いほど憧れるだろうと思った。女から見ても異次元の美しさで、自分が平凡すぎて恥ずかしくなりそう。


「皆さんおはようございます。昨夜は眠れましたか?」リアナは四人に微笑みながら聞いた。クララはその美しい微笑みに圧倒され声が出なかった。「はい、リアナ様ありがとうございます」カルロスも微笑みながらリアナに答え、グロリアもダフネも笑顔で答えていた。クララも慌てて頷いた。


「セリオ、食事をしながらスケジュールを教えて」リアナはセリオに言った。「さあ、皆さん頂きましょう」リアナはそう言って食事を促し皆食べ始めた。


「食事をとりながら聞きなさい」セリオは四人に向かって話を始めた。リアナは上品に紅茶を飲みながらセリオを見ている。「食事の後帝国の歴史と公爵家の関わりを学ぶ。昼からはそれぞれの魔法を見せてもらう場所はまた追って説明する。何か質問は?」セリオは四人に聞いた。「ございません」四人は口を揃え言った。「よろしい、では食事を続けなさい」セリオもまたクララから四つ離れた席で朝食をとり始めた。


 クララは朝食のハムエッグを食べながら自分の魔法のことを考えていた。いつから魔法が使えるようになったのだろう、、これも覚えていない。気がついたら自然に魔法が使えていた。でも、そんなことって、、それに、最近魔法が安定しない。コントロールができなくなっている。イフリートといい、魔法といい、私はミラネス王家にとってかなり危うい存在なのかもしれない。セリオ様は監視をすると言っていたけど、もうされいるのかな、、。「ハァ」ついため息が漏れてしまった。

 

「レオン、憂鬱そうだね」カルロスが声をかけてきた。「憂鬱、、昨日の件といい、、魔法といい不安だらけ」クララは呟いた。「昨日の件?」カルロスが聞いた。クララは首を傾げた。イフリートの事カルロスも見ていたはずなのに?「レオン、ちょっとこちらに」急にセリオに呼ばれ緊張し額に汗が滲んだ。何かやってしまったのだろうか?クララはすぐにセリオのところに移動した。「セリオ様、ご用件は?」クララは両手を握りしめセリオに聞いた。「レオン、イフリートの件、忘却魔法で三人の記憶から消した。理由は、、わかるな」セリオは小声で言った。「は,はい」クララは答え、「承知いたしました」と言って一礼し、席に戻った。なに?忘却魔法って?!いつの間に??クララはどのタイミングでそんな魔法が発動されたのか全く気が付かず心の中で狼狽えていた。イフリートが召喚できることは秘密なんだわ。気をつけなきゃ。クララは動揺を隠し平静を装って席に戻った。


 突然セリオに呼ばれたクララを不思議に思いカルロスが聞いてきた「なんだったんだ?」クララは咄嗟に嘘を言った。「ため息を、ため息を怒られちゃって、、」カルロスは驚いた顔をして言った。「なんだって?!ため息ダメなのか?!」クララはまさか食いついてくるとは思わず、慌てて訂正した「ダメじゃ無い、ため息は幸せが逃げると言うらしくて、」カルロスは爆笑した。「おい、それなら大きなため息を吐いてみんなに幸せをくれ」クララはその言葉を聞いて笑顔になった「カルロス、その考え素敵だね!気に入った!」「フフフ、楽しそうですね」二人の会話を聞いたリアナが静かに笑った。グロリアとダフネも「大きなため息待ってるわね!」と言って笑った。


 ああ、どうにか乗り切ったわ。本当に綱渡のような日々。だけど今日は何事もなく終わりますように、、。


 クララはリアナに笑いかけ紅茶を口に含んだ。

 


 

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