あたらしい世界
【炎と薔薇の物語】通称リボンを読んでくださっている読者様へ
いつもありがとうございます。
癖のあるお話を我慢強くお付き合いくださって心よりお礼を申し上げます。
ようやく、ようやく残り二話で完結いたします。
ありがとうございます!!
感謝を込めて
ねここ
「カルロス様、エリアス様とクララ様はいつお帰りになるのでしょうか?」
帝国のスケジュールを管理するプリシラが窓から外をチラリと見つめまたカルロスの方を向いた。
「わからないが、結婚式までには戻ると言ってたから半年後じゃ無いか?」
カルロスは笑いながら言った。
「え?カルロス様とグロリア様のお式までいないのですか?!」
プリシラは半ば呆れたようにカルロスを見たが、二人の幸せそうな姿を思い出しそれも良いかと思った。
(皇帝が半年も国にいなくても任せられると思って頂けている、私たちは信頼されている)
そう思うと嬉しくて笑みが溢れる。
「フフフ、プリシラもエリアス様の策略にハマったな!ま、俺もだけど」
カルロスはそう言いながら二人の姿を思い出し笑顔になった。
*
あの日から一年、色々なことがあったが、クララが言うには、
「最大の驚きはあなた達よ!」
と言って俺とグロリアの結婚を喜んでくれた。エリアス様は、
「二人が結ばれるとは、やはりあのループを壊して良かった」
と優しい笑顔を向けてくれた。俺は二人に言った。
「エリアス様とクララより先に結婚することになるとは思いませんでした」
そう言うとエリアス様がクララを抱き寄せ言った。
「私たちは薔薇の誓いをしているから形は要らないんだが、まあそう言うわけにはいかないだろうから、」そう言いながらエリアスはクララを見つめた。
「エリアス様の良いように、私は今とても幸せです」
クララはそう言ってエリアスを見つめ返した。エリアスは嬉しそうに微笑みクララにキスをした。
「あの、、俺まだ居るんですけど……」
カルロスは抱き合いキスをする二人に声をかけた。
「ああ、カルロスすまない、あ、ところで私はクララと旅に出かけるからカルロスあとは頼む。式までには戻るから」
エリアスはそう言ってカルロスの肩をポンポンと叩いた。
「え?なにそれ?!」
クララとカルロスは驚いた。
「あ、クララにも言ってなかったな、クララ二人で旅に出よう」
エリアスはクララの両手を握って言った。
「エリアス様と、二人で?とても、嬉しいです」
クララはそう言ってエリアスに微笑んだ。
「いや、クララ、俺らどうなる?エリアス様が居ないこの帝国は?」
カルロスは狼狽しながら二人に言った。
「カルロス、信頼している。カルロスなら任せられるから。セリオもいるし、ダフネも、それにグロリアがいるじゃないか」
エリアスはそう言ってカルロスに指輪を渡した。
「エリアス様?!これは皇帝の権限じゃないですか?!俺にそんな大事なものを!!」
カルロスが慌てていうとエリアスはクララの手を離しカルロスの手を握り言った。
「カルロス、カルロスだから渡せる。私の友よ。任せたぞ」
そう言ってカルロスの頬にキスをした。
「お,俺、なんだかエリアス様にキスされて、嬉しいな……俺、が、頑張ります。エリアス様が戻ってくるまで立派に代わりを努めます!」
そう言ってカルロスはエリアスに頭を下げた。
その夜全員で食事をする約束をした。