表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

2話 私の中の私は黒歴史

気が付けば知ってる天井だった。


「あれ、私……」


ああそうか、薬樹の葉を採っていて枝が折れて落ちた………んだよね?あれ?その後帰ってきたんだっけ??

あんまり記憶が………あれれれ?なんか変な感じ。


(あれから結構大変だったんだけどなぁ)


そうそう。落ちたのは雪がクッションになってくれたので幸いちょっと打ち身くらいで済んだけど、音を聞き付けたのか灰色狼が襲ってきて。以前までならかなり危なかったけどスキルのお陰でなんとかなったんだっけ。


(うんうん)


帰ってきて、汗だくだったからお風呂入りたくなって《火魔法》を試してみたら大爆発しちゃって、隣のファーガソンさんが飛んできたのよね。

念のために裏庭でやったから被害は少なかったけど、説明大変だったよ。


(《火魔法》は相性悪いのかなー?スキルが有るから「使える」って訳じゃないのが解ったのは良かったけどね)


それで一応ちょっとだけお湯は確保出来たから体を拭いて………。


────ちょっと待って。


(どうかした?)


思い出したああああ‼ 私、異世界転生者だったのか⁉って言うか私さっきから誰と話してるの?もしかしてこれが噂の電波って奴!?


(電波はひどいなー、ボクは君……なんだろうけど……ボクも前世と今世の記憶が混ざって混乱気味だよ。所謂別人格っていうのも違う気がするし……)


うん、先ずは少し整理しよう。


前世の名前は十七夜月雪兎(かのうゆきと)。ごく普通……うん、まあ客観的に見ると変わった奴な気がする……高校生だった。ゲームが好きで人気MMORPG《星層神記エル=グラシア》をプレイ中に異世界転生してしまった。


そして今の私として生まれたが前世の記憶は無いまま十四歳を迎え、木から落ちた衝撃で記憶を取り戻した。まあこれはタイミングの問題で、ある程度成長してから思い出すようになってた気がするけど、これはこれで良かったと思う。

赤ちゃんの時点で前世の記憶があると色々問題ありそうだし。特に私の羞恥心とかね!


で、私の認識としては私は今までの私は変わらずに記憶だけ増えたって感じなんだけど。


(それはボクも一緒かな。「今までの私」も自分だと思うし。別人格と言うよりは別の側面って感じ?)


一人でいる時、クラスメイトと、知らない大人と。それぞれ言葉使いとか態度も違う。 人といる時はしっかりしてるけど、一人だと結構適当だったりとかね。


(君は今世、ボクは前世の感覚が前に出てる感じかも?)


あー、そうかもしれない。私も記憶はあるけど子供の頃の遠い記憶みたいな感覚が強い。

うん、ここは私がユエ、君がユキト、これでいこう。どっちも私じゃややこしいし。


(そうだね。どうも記憶は共有してるみたいだけど、あれだ見えないお友達みたいな感じで?)


トモちゃんかよ。それは寂しい人みたいで嫌だ。せめて脳内会議の私AとBくらいにしとこうよ。私CとかDとか増えそうだけど。


それにしても異世界か。

古今東西、異世界とか転生転移物はフィクションではお馴染みの題材で私も結構読んだり観たりしたものだ。

原点と言えば色々意見は別れるだろうけど、個人的には神秘な世界にお醤油一本持って異世界転移したヒロインが料理無双するアニメを推したい。

まあ異世界と言うか別の世界というのは神話や伝承に出てくるから、元々はそれらがモチーフなんだろうけどね。


ちょっと憧れてはいた。あったら良いね、そう思ったりした異世界に私はいる。そして妄想した……


(いやー、本当の女の子に転生とかミシュリー様グッジョブだよね)


うん、十七夜月雪兎は女の子になりたい男の娘だったわ。と言うか女の子が好きな男の娘という変な奴だった。いや、男なんだから間違ってはいないのか。

元々童顔の女顔で背も低め、華奢な体型で小さい頃はよく間違われた。そのせいか、年頃の子が可愛いよりカッコいいと呼ばれたい頃になっても可愛いと言われる方が嬉しかった。


(可愛いは正義だよねー)


だが、そんな過去の私はもう死んだ!今世は普通の女の子として生きるのだ。

エルグラでは女キャラでプレイしてたけど、今世は歴とした女の子!素晴らしい!

………黒歴史は封印したいわ。


そういやなんかスキルとか貰ったんだよね。


(うん、お陰で助かったけど………生前を加味してって言ってたけど、多分「生前」ってゲームの方だよね……)


あー、なんかアレな予感もするけど確認した方が良いよね……こういう時はきっと……。


((ステータスオープン))


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


■ユエ (人間・14歳)

■職業:村人(ノービス) サブ 野戦猟兵(フェルトイェーガー)

■スキル:《空間収納》《剣魔法》《生活魔法》

《火魔法》《風魔法》《陰遁》

《気配察知》

■称号:《災厄に挑む者》


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


((ゲームかよ))


目の前に現れた謎のディスプレイ。ラノベじゃ有りがちだけど凄い違和感。なんか触れるし……あ、タップすると一応詳細と言うかヘルプみたいのが出るね。


(能力値とかレベルみたいな数値は無い………けど、隠しステータスっぽいね)


職業の説明に「ステータス補正とスキルボーナスが付く」みたいな説明がある。


(野戦猟兵はエルグラで最後にセットしてたクラスだよね……これヤバくない?)


エルグラは多彩な職業が売りで、その職業で得られるスキルを重ねる事で成長させるゲームだった。攻略サイト等では同系統の職業を育てる方が良いとされていた。効果の重複するスキルは統合されより強いスキルに育つ為だ。

野戦猟兵は銃器を扱う軽装歩兵。私は特化した育成はしていなかったけど、この系統の職が多い。銃器とかこの世界でもあるのだろうか?


(変更は出来ないか。いや、そもそもゲームとは違うだろうけど)


《火魔法》とかもどうやらゲームの様な効果が固定の物がある訳ではないみたいだし、この辺りは色々試してみないといけないね。


それから称号か………なんか平穏に暮らすには要らなさそうなのがあるんだけど。


■《災厄に挑む者》

世界を蝕む〈異端〉に挑む者に贈られる称号。〈異端〉に対しボーナスを得る。


〈異端〉って魔物とは違うのかな?ボーナスってのも曖昧だし……。ポチポチと説明を流し見するが、詳しい解説は無い。

ステータス板について聞いた事は無いから普通の人は見れないかも。何処かでスキルとか調べられるといいんだけど、この村じゃ無さそうだよね。


(思ったより普通っぽいけど、とりあえず検証してみないとだよね。《陰遁》とか《気配察知》なんかは狩りには便利そうだけど)


うん、出来る事と出来ない事は自分で解っていた方が良い。今世の常識としてスキルという物が存在していて《剣魔法》なんかは前世の引き継ぎではなく「私」が覚えたものだが、増えてるスキルは使い勝手が解っていない。


それにしても、本当に異世界転生って奴なのかー。

流石にヒャッハーする気はないけど、折角だから色々観光とかしてみたい気はする。ファンタジー定番な景色とか見てみたいし、ドラゴンとかもいるし、異世界を満喫するのは悪くないね。


(そして異世界物と言えばハーレム物だよね!可愛いケモ耳っ娘とか、魔法少女とか!)


いや待て。今世は女の子なので、それはどうなのかな?


(でも先ずは自分磨きだよ!ユエはもうちょっと女子力上げないと色々台無しだと思う。お肉ばっかりじゃ育つものも育たないよ?)


大きなお世話だよ!そして胸とか見るな!

───ってユキトは前世感覚だから男じゃん!自分とは言えなんかいやぁあああ‼



ともかく、こうして私の生活は一変した。


お読み下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ