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あるメイドの独り言日記


今日、私の勤める大風家の屋敷が当主様の魔法で粉々に崩れ落ちた。

当主様も魔力を使い果たし亡くなられてしまった。

私は今後どうしていけば良いのだろうか。



今日、エリオット様の孫娘であるリン様が次の当主様になると決まった。

リン様はまだ2歳。2歳にしてはしっかりなされているが、それでも大風家の今後が不安だ。



ここ最近、メイド仲間が大風家を始めとして去っていく。

リン様が当主になられて不安が広がっているためだろう。リン様の父親のダン様がリン様の後見人として領主代理になったのも納得出来ない者も多い。

私も別の仕事先を紹介すると誘われたが思案中。

リン様と短い間であったが接してみて好感が持てると思う。



私は大風領に残る事に決めた。

残ったメイドや執事は多くはないが、これから少数精鋭で頑張っていこう!



今日、リン様の旅仲間のフリザさんとキャノさん、カリナさんが旅立って行った。

フリザさんは首都エルに屋敷の再建を手伝ってくれる人を誘いになってキャノさんは実家に一度戻って今後の事を考えたいらしい。カリナさんはフリザさんのお兄さんのラドウさんをお姉さんに紹介するために帰るそうだ。

フリザさんは戻ってくると言い残して旅立ったが、キャノさんとカリナさんの2人は戻って来ないかもしれない。

リン様が少し淋しそうにしている。

残った仲間はペコルさんだけ。

これからは『私もリン様を支えるんだ』と誓う。



リン様はおじい様とお母様を同時に亡くされた。メイド達はなるべくそれに触れない様にしている。 『リン様はどう思っているのだろう』

最近、仮住まいにも慣れて落ち着いたので今後についての話し合いが持たれ、そこでリャルル様の話が出て重い空気が流れて私はふとそんな事を考えてしまう。



今日、フリザさんの紹介で新しいメイドのアクヨちゃんがやって来た。

少し恥ずかしがり屋さんの女の子。

私が指導係に指名される。

『まだ一度も目が合ってないんだけど大丈夫かな?』



アクヨちゃんと一緒に来たハーフエルフのナツさんのお陰で壊れた大風の屋敷の片付けが予定より早く終わった。

リン様はこれから新しい屋敷を建てるための設計案を私達にも聞いてくれた。

私はメイド達の休憩部屋と最新の厨房を要望した。前の屋敷は何百年も前に建てられた物で、改築は何度もされていたがメイドとしては使いづらかったのだ。

リン様は私達屋敷で働く者達の意見も聞いてくれる優しい人だと思う。



今日、フリザさんが帰って来た。キャノさんも一緒に。それと他に3人。

2人は人族。1人は獣人族。

屋敷の建築を手伝ってくれるらしい。



屋敷が完成した。あっと言う間だった。二ヶ月で完成するとは思わなかった。基礎の土台部分はリン様とフリザさんの魔法で一日で終わり、フリザさんの指示の下でキャノさんとナツさんがテキパキと建材を組み立て、サクラさんスタラさんとポルラさんが仕上げをしていく。流れる様な作業で屋敷が出来上がっていくのを私はワクワクしながら見ていた。

私の要望した最新の厨房も綺麗に仕上がっている。



今日は新しい屋敷への引っ越しの日。

新しい建物は気持ちが良い。

私の部屋も個室が用意されている嬉しい。

『新生活が始まる!』


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