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異世界に生まれ変わるなら猫  作者: りづ
余章 白虎の娘
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魅高領 領主館


アンとバァーテスに魅高領の領主への挨拶の相談をして了解を得て私達はクオに連れられ領主の館へと向かった。

領主の館は魅高の町から少し離れた大土領寄りにあった。


「何で領主の館は町の外にあるの?」

私はふと疑問に思った事を口にした。

「魔物から町を守るのに魔法による結界を外から張っているから」

「普通、結界って中から張るものじゃないの?」

「町の中からの結界も張ってあるけどそれは獣人達との戦いの名残で、外からは魔物対策用の結界が張っているんだよ」

「へぇ」

獣人達との言う言葉にここは昔の戦いの最前線だったのだと改めて理解出来た。

「そんな争い合っていた私達獣人に魅高領の領主は会ってくれるのかな? 突然攻撃とかされないよね? 怖いんだけど……」

アンが魔貴族と会う事に不安を口にした。

「攻撃? それは無いかな。獣人との戦いは何百年も前の話だよ。領主の代替わりもしてるし、その当時のわだかまりは無いよ」

「そう……」

「大丈夫ですよ。こう見えても私は元魔族軍ですから」

「何が大丈夫か分からないけど……」

「着きました」

アンの不安をよそに私達は直ぐに領主の館に着いた。




「失礼します。私は国境の町で新たに造られる中央共和国の使者をしています闇紫クオです」

「はい、伺っております。それで……そちらの方々は?」

「申し遅れました。私は絵本の国、白山領の使節団の特使の白虎タリアと使節団の団員です。よろしければ領主様にご挨拶をと思いまして」

「そうですか……白山領……確か…お隣ですよね…………分かりました少しお待ち頂くかもしれませんが中へどうぞ」

対応してくれた執事は少し考えて私達を館の中に入れてくれる。



「ではここでお待ち下さい。今、リスト様をお呼びします」

執事は軽くお辞儀をすると部屋を出て行った。

「リスト様とは誰ですか?」

「魅高領の領主様。高魅リスト様」

「領主様ですか」


執事が部屋を後にして直ぐに高魅リストはやって来た。


「初めまして。高魅リストです。魅高領主をしております」

「中央共和国の魔族との交渉役をしています闇紫クオです」

「絵本の国の白山領領主の娘で魔人国への使節団の特使を命じられました白虎タリアです」

クオの挨拶に続いて私も挨拶する。

「使節団員の白犬アンです」

「使節団員の赤熊バァーテスです」

私に続いてアンとバァーテスも自己紹介する。

「どうぞ……おかけになってください」

私達と魅高領主との会談はこうして始まった。


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