ランドセルの中の幼馴染
このオチが分かるそこの貴方…………同世代だな!!
私には“私の事が大好きな”幼馴染がいる。
その子との出会いは正に運命的で、幼い日にお隣の家に住んでいた彼を見付けた瞬間、私はこの人と生涯を歩まなくてはいけないのだという事を知った。
でも、彼の方はその事をまだ自覚していないみたいで、私が常に一緒にいようとしても中々分かってくれない。
色々と一緒にいる方法を考えて“あげた”のに、彼はその提案を“むり”“面倒”と言うばかりで乗ってくれないのだ。
だけどある日……彼は名案を思い付いてくれた。
「お前のランドセルにでも入れれば、楽に通学できるんだけどな~」
軽い口調でそんな事を“言ってくれた”彼に、私は感動を覚えたんだ。
ようやく彼も運命を受け入れたのだと、その上で私と常に“物理的に”一緒にいる為の方法を自ら考えてくれたんだと……。
私は早速“彼の提案”を実行する為に、自分のランドセルを空にして……彼に入って貰う事にした。
彼の体格は既に私よりも大きいから、ここに入るには結構無理をする必要がある。
腕も足も首も体も……普通の人では絶対不可能な、あらゆる関節の駆動を無視して骨すらたたむ勢いで“折り曲げる”必要すら出て来る。
でも彼は実行した……私の為に。
私と常に一緒にいる為に、人間離れした体勢で……ランドセルの中に入り込むという、不可能を可能にしたのだ。
学校からの帰り道……今日も彼は私と一緒にいる。
勿論今も常に一緒に、私のランドセルの中にいるのだから……。
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「ねえイトウ君、そろそろお家着くよ?」
「え? マジか……早いな~」
ヤンデレ風幼馴染を目指してみましたが、難しいですな~(;^ω^)
少しでも面白いと思って頂けたら、感想評価何卒宜しくお願いします。
書籍化作品『神様の予言書』
物語の雑魚敵が改心したら……という『チートなし』物語です。
宜しければご一読下さい。
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書籍化作品
『疎遠な幼馴染と異世界では結婚している夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが?』
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