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第7話 散々な結果

エマージェンシークエストが無事……無事というわけじゃないけどとりあえず終わったので報酬を回収。どうやらドロップ品はシャドウが身に付けていたものやシャドウのエネルギーを回収して作られているようで、この手の採掘ステーション防衛戦では一旦タキオン船団が回収した後、防衛戦終了時に帰還ポータル周辺へばら撒く形になっているようだ。


報酬の方はまあレア度が低いけど、初エマージェンシークエストがゲームとどう違うのかという確認と、特殊能力目当ての参加だったし特に問題はない。お、スロット1アイテム拾えた。中身は通常攻撃の威力が15%上がるノーマルアタックアドバンス。ユリクリウスが二刀流を取る時に捨てた奴だな。これでもゲーム内では500万ゴールドぐらいの高値で売れる奴。求めていたぶっ壊れスキルではないけど嬉しい。


そしてロビーへと戻ると、阿鼻叫喚の地獄絵図だった。これは多くの人が死んでるな。その大半が自分の実力を見誤った人達で、ふおにの森が各難易度に1人ずつ120レべを派遣していなかったらもっと被害は凄惨だったはず。


惑星サマーリアの最高難易度でも、低レベル層が2人は生き残ったしな。そして案の定、1鯖のように強者を派遣出来なかった鯖は死者の数が多い。1鯖はまだ数百人程度だけど、他の鯖は四桁死亡が珍しくない。初エマージェンシークエスト、お蔭で初級者や中級者の気は引き締まっただろうけど無駄に死なせてしまった数が多すぎる。


[黒猫:お通夜だな。ちょっとシウラさんにかけあって、幼女同盟の人とふおにの森の人にクエストからのキック権限を要求してくるわ]

[ユリクリウス:横暴と言われようがそれしかないな。あと推奨レベル+15ぐらいのマージンは確保しておいた方が良い]

[クロワッサン:それ以上に、脅威度の説明とかクエスト説明文に書いとけ。推奨レベル41で89レべが出て来たぞ]

[ゼル:一応惑星サマーリアの脅威度高の推奨レベルはオペレーターに確認したら81からだった……]

[クロワッサン:あれ?ゼルさんもサマーリア行ったの?]

[ゼル:行ったよー。でもたぶん別地域だったね]


どうやら同じ惑星の同じ難易度、同じ地域でも別の割り当てになるようなので、今回ライさんと一緒になれたのはわりと幸運だったか。そしてこの初エマージェンシークエストが終わった直後から、ふおにの森への加入申請数が増大。一気にチーム人数が1000人を超えてチーム数が13もある状態となった。


どうやら本格的に、初心者や初級者の育成に乗り出したらしい。流石に知識不足で死んでいく人が沢山出るのは見逃せないのだろう。一方の幼女同盟も1人チームメンバーを増やした。と言っても出戻り組だけど、ふおにの森に移籍したふわわさんだ。アバターが男性で、中身は女性という珍しいプレイヤー。


元々ふおにの森と幼女同盟を行き来していた人で、初心者育成係を押し付けられそうになったから逃げて来たらしい。この人らしいと言えばこの人らしいな。ちなみに月10万は課金していた廃課金勢でもある。その大半が3人のロリサポートロイドの容姿に注ぎ込まれていたので幼女愛は本物だ。


「いやー、男になれてロリっ子に囲まれるとかこの世界は最高よね」

「その外見で女性言葉使うのは辞めたら?」

「クロワッサンこそその外見で男言葉使うの辞めたら?」

「は?」

「……いやどう見ても女アバターなんだけど?ちゃんとついてるのよね?」

「元々の自分のより大きいのは確認済みです。かなり大きいです」

「それは解釈違い」

「は?」


ゼルさんといい、ふわわさんといい、この世界に来れた女性は自分の欲求に素直過ぎる。あとふわわさんが入ったことで20人になったけど、黒猫はこれ以上チームメンバーを増やす気はないみたいだ。


[黒猫:初心者の育成やっても養殖にしかならんだろ]

[クロワッサン:「こんなの教えられてなかった!」とか言いながら散りそう]

[ABC:真面目に自身を向上させようというやつはエマージェンシークエスト前にふおにの森へ加入申請出してる。今から慌てて加入している奴に期待出来そうな人はいないと思う]

[ユリクリウス:いやでも推奨レベル41レべなのに40レべで来る人は少なくなるだろうし死者は減るんじゃない?]


まあ1人でも初心者の加入を許すと「どうしてあの人だけ」みたいな状態になるし面倒だから全部ふおにの森に押し付ける感じかな。シャルルさん過労死不可避。そして手塩に掛けて育ててもアブダクションや想定外のボス敵襲撃で無に帰すことを考えると今から育成に手は出し辛い。


[ジョーカー:あの……ちょっと良いですか?]

[黒猫:どした切り札]

[ジョーカー:いやあの妹もFUO2やってたみたいでチームに入りたいみたいなんですが入れて良いですかね……60レべだったんですけど]

[黒猫:切り札って高校生だったよな?

……ガチロリっ子来たぁあああああああ]

[白猫:マスター、チームチャットで品位を落とす言動はもう辞めると言ったじゃないですか。いい加減にして下さい]

[黒猫:サポートロイドがチームチャット使ってるううううううぅぅぅ!?]


なお既にチームメンバーの身内にはだだ甘な模様。幼女同盟の加入条件は①3つ以上のクラスでレベル上限②レア度90台の装備を強化限界の+99にしている③防具はスロット5まで拡張しているの3つを満たした上で、サポートロイドがロリっ子である必要がある。


……伊達に幼女同盟を名乗っているわけじゃない。サポートロイドは操作キャラ以上に性癖が詰め込まれやすいと個人的には思うけど、このチームメンバーはサポートロイドが全員ロリである。コッペパンもロリロリしているしな。そしてそんなロリっ子サポートロイドに窘められる黒猫。流石にサポートロイドがチームチャット使うのは予想外だったけど見れるなら書き込めるよな……。


そんなこんなで、ジョーカーさんの妹のマルマルさんが加入してチームメンバーは21人。ジョーカーさん自身はライさんと同じでゴースト/メイジの耐久寄り魔法アタッカー構成。最盛期の頃に始めた人だけど、今ではTA上位の常連である。かなりのシスコンだということは把握してるし、妹がこの世界来ちゃってるなら同じチームに誘いたくなるよね。


なおジョーカーさんの妹であるマルマルさんは幼女同盟というチーム名にドン引きしていた。真っ当な感性を持つ良い子じゃないか。クラス編成はナイト/ソードマンでかなり防御寄りの編成。ちゃんとスロットを5まで拡張しているのは好感が持てる。


『今週末より、チーム対抗戦を行います。参加したいチームはクエスト受注カウンターまで』

[クロワッサン:チーム対抗戦やるのか]

[黒猫:ポイントリセットされねーのかな。

まあ良いや、ふおにの森が11時の枠に参加するそうだし13時の枠で参加するぞ]

[ユリクリウス:ふおにの森の連絡はっや]

[ゼル:それだけ戦いたくないんでしょ。ふおにの森が唯一負ける可能性あるチームだし]

[ABC:11鯖の†Bloody Wings†が潰れたの大きいな。というか元々タキオン船団にいるチームとかあると思うんだけど当たるのかな?]

[黒猫:地球組が慣れたら当てるようにするとは聞いた。まあまだ準備期間のつもりなんだろう。大いなる闇の封印状態は変化ないっぽいし、まだ戦力としてあてにはしてなさそうだからな]


チームルームの温泉宿の砂風呂でまったりしながらチャットをしていると、シウラさんから全シアリーに対してチーム対抗戦をするという連絡が入る。マジか。チーム対抗戦をやるなら、今後は鯖対抗戦とかもしていくのかな。


報酬も発表されるけど、勝利チームはチームメンバーに一律10万ゴールド、敗北チームには何もなしというオールオアナッシング仕様は相変わらず。ゲーム内だと最早産廃と化したアイテムの配布だったけど、それを現金化したということか。しかしこれ、ポイントリセットされないならマジで強いチーム同士、同じ時間帯に申し込む必要性がないな。


[黒猫:お、ポイントリセットされた。ランキングが白紙だ]

[ユリクリウス:よっしゃ。シウラさんナイス]

[ゼル:じゃあふおにの森と同時間帯でも良いんじゃない?まず最初は当たらないだろうし、当たったらラッキーということで]

[黒猫:流石にまだ互いに身体の動きに慣れ切ってないから初っ端から当たる可能性を作るのはNG。全鯖のチームと対戦可能性があるから確率は低いがな]


と思ってたらポイントもリセットされたのでこの瞬間にふおにの森が最強チームであるという証明はなくなった。今ならたぶん向こうのエースのライトさんよりユリクリウスの方が火力上だろうし、直接対決の時には完成してなかった自分のカチ装備が完成しているからワンチャン勝てるんだよなぁ。


そうこうしていたらすぐにマッチング相手が決まって、相手は船団番号26の『ハイエンドシティ』に決まった。もうサーバー26って表記じゃなくて船団番号26って表記になるのね。


船団番号26の上位チームかなーと思って相手のスタメンを見るとレベル120が1人、レベル108が1人いる以外は全員100レべ以下なので惨殺不可避。こちらのスタメン全員100レべ以上なのに負けるわけがない。


チーム幼女同盟

リーダー:黒猫 122レべ ガンナー/ナイト

サブリーダー:ABC 103レべ テイマー/ガンナー

エース:ユリクリウス 124レべ アサシン/ソードマン

サブエース:クロワッサン 124レべ ソードマン/ナイト

アタッカー:ゼル 123レべ キャスター/メイジ

アタッカー:ふわわ 122レべ テイマー/メイジ

アタッカー:ジョーカー 121レべ ゴースト/メイジ

アタッカー:ビートル 122レべ シューター/アーチャー

アタッカー:めう 125レべ ボクサー/ソードマン

ディフェンダー:アルタイル 121レべ ナイト/ソードマン

ディフェンダー:HAKU 122レべ メイジ/キャスター

ディフェンダー:ビショップ 123レべ ソードマン/アサシン


チーム対抗戦は12人で戦うので、参加条件としてチームメンバーが12人以上という制約もある。うちのチームではディフェンダー枠はわりと入れ替わりが激しいけど、アタッカー以上はまず変わらない。 地味にめうさんが125レべまでレベルを上げてるけど、黙々と高レベルのシャドウを狩っているんだろうな……。


寡黙な人でチャットには滅多に顔を覗かせないけど、黒猫の誕生日には毎年高額なアイテムをプレゼントボックスに入れて黒猫のマイルームに置きまくるという高度なデレを見せてるし、黒猫と個チャでのやりとりは頻繁にやっているみたい。


あとアタッカーであまり関わりないのはビートルさんかな。火力のないカチ勢嫌っている人だし。クロワッサンは別と言いつつ内心では嫌っているかもしれない。まあビートルさんは遠距離職でユリクリウス並みの火力が出せる糞つよアタッカーだし、個人的には頼りにしています。


……これ、なるべくゲームのイベントを実装して現実感を無くす意図とかもありそう。まあ単純にPVPは身体を動かす練習になるし、向こうにも1人120レべはいるから適度に戦えそうか。

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