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第9話 迷宮主

「うぉおおおおおお!」


龍二が突撃!?

サイクロプスの攻撃……人の身で受けられる筈が無い、棍棒の一撃を。


ガシッ


龍二の大盾が防ぐ!?


前衛に主力武器を封じられた魔物。

それはただの獲物だ。


「流星槍!」


ザザザ


栗原の、溜めからの必殺スキルが炸裂。

サイクロプスがノックバックし、


「煉獄の炎!」


模合の魔法が、サイクロプスを焼き尽くした。

凄い威力……


ことり


骨に隠れていた、コアを拾う。


「凄いね、みんな」


「「「いや、凄いのはお前(兎中)だから」」」


総ツッコミ。

何故。


「全力を出せているのは、疲労軽減の効果だけど」


龍二。


「パッシブで適用される能力増加、って何」


栗原。


「ステータスや武具性能が3割増しくらいになっていますよね。余裕が出て当然です」


模合が呆れた様に言う。


「更に言えば、鑑定眼とやらに、異常な大きさのアイテムボックス。その職業チート過ぎるだろ」


「強い仲間がいる事前提だけどね」


この強化スキル、自身には影響がないという。

一人じゃダンジョンに潜れないんだから、みんなの方が凄いと思う。


「このまま迷宮主行ってしまいますか」


「「賛成〜」」


「ちょっと、みんな、おかしくない!?」


このスキル、警戒心弱めるとか、気を大きくするとか、悪い効果あるのでは……?

普段の冷静な性格と、違い過ぎる。

やばい……


--


「……単独PTでのダンジョン踏破……だと……?」


教官達が、愕然とする。


唖然とする僕と違い、龍二達は余裕の症状だ。

まあ、流石に疲れたらしいけど。


「これで奨学金ゲット、かつ、主席合格確定じゃないかな。PT全員が上位独占だけど、一番評価上がるのはPTリーダーだしな」


龍二が俺の肩を叩く。

あわわ……?


「ふん……兎中もなかなかやるわね。あくまでスキル目当てだけど、不本意だけど、兎中ともう少し仲良くしても良い気がするわ」


栗原が胸を反らす。

うわ、スキル目的とか宣言されてる。


「そうですね。私では栗原さんに及びませんし。山里君を諦めて、仕方なく、兎中と付き合ってあげても良いんですよ」


模合が、俺の肩に手を置く。


「それは確かに栗原さんにとってはライバルが減って良いんだろうけど……」


僕は苦笑するしかない。


「ちょ、抜け駆けしないって約束は!」


栗原が模合の胸ぐらを掴んで、ぐらぐら揺らす。


「じょ、冗談です、冗談!」


うん、冗談なのは分かっているから。

何で栗原、泣きそうになっているの?


模合は模合で、顔を真っ赤にして怒っているし。

いや、胸ぐら掴まれているから酸欠になりかけている……?


「二人共落ち着いて」


俺が二人の肩を持つと、


「「ひゃっ」」


二人共大人しくなる。

そこまで嫌がる!?

一応ずっとPTを組んでいるから、ある程度は慣れてくれていると思っていたけれど。


やっぱり、龍二の存在は大きいのだろうね。


--


「おい、羽修。今日、お前の所行っていいか?」


龍二は優等生。

寮に立派な部屋が与えられている。


「別に良いけど、何で?」


「どうも、お前のレベルアップ速度が異常だからな。どんな所に行ってるか見てみたい」


今は3人乗り……うん、何とかなるな。


「私も行くわ」

「私も行きます」


うん、何ともならないな。

というか、この2人、僕の家来るの初だな。


「良いよ。でも、小さいから乗れないよ」


「そう言えば1人乗りだったな」


今は3人乗りだけどね。


この3人なら、ミアの秘密も守ってくれるだろう。

丁度いい、ミアを紹介しよう。


--


「ご主人様、お帰りなさいませにゃん」


ミアが、俺を出迎えてくれる。

……ん?


「おい、羽修、この娘は誰だ?猫耳はお前の趣味か?」


「そうよ、兎中くん!」

「誰ですか、この泥棒猫は!」


何故か栗原と模合の勢いが凄い。

いや、猫だけど泥棒じゃないよ。


というか、


「ミア、何でそんな喋り方なの?」


「こういう話し方が、萌ポイントだと読んだにゃ」


……日本語覚えるのに、ラノベでも読み漁ったのだろうか?

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