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第3話 疲れにくくなる程度の能力

「お待たせ、相棒」


龍二だ。


「栗原と模合は、龍二を待ちわびていたよ」


「……いや、むしろがっかりしてると思うよ。いい加減、俺を出汁にするのやめてほしい」


また分からない事を言う。


さて。

学園が所持する、フルオート仕様の異世界船に乗り、ダンジョンへと移動。

学園が確保している、踏破済ダンジョンだ。


宝箱や、ダンジョンクリア報酬、そういったものは当然望めないが。

罠やモンスターハウスがないので、安全性が高い。

ちなみに、数日放置すると崩壊するので、授業で使わない時は定期的に職員を送っているらしい。


「いっちょやりますか」


龍二が、ランスを掲げる。


ひゅん


栗原が、槍を振り。



模合が杖を掲げる。


俺も、申し訳程度にナイフを構える。


授業には、私物の持ち込みは許可される。

みんな、魔法効果が付属したアーティファクト持ちだ。

俺のは、ただの市販のナイフ。

そもそも、俺のしょぼいステータス補正では、直接戦闘は危なすぎるのだけど。


--


「おかしい」


龍二が訝しげに言う。


「どうした、龍二?」


俺が問い、


「何かあったの?」


栗原が小首を傾げる。


「いつも通り、いや、いつも以上に派手にとばしているのに」


うん。

よく魔力が続くなって感心する。

魔法や技を連発しているよね。


「まだまだ魔力に余裕がある」


「まじかー」


龍二、成長しすぎだろ。


「そう言えば、私もね」


「ですね」


栗原と模合も不思議そうにする。

おや?


「だとすると、あれかもね。僕の新スキル」


「「「ほう?」」」


3人が興味深そうに聞く。


「PT疲労軽減。疲れにくくなるらしい」


「……多分それだな。そして、恐らくチートスキルだな。お前はいつかやらかすと思っていたよ」


龍二が呻く。


「……体感、消費魔力、消費スタミナが、半分以下……いえ、7割から8割減っているかも」


栗原が嬉しそうに言う。


「山里くんと組める以外にも、兎中の価値が出ましたね。これからもPTを組んであげます」


模合が胸を張って言う。


「いや、俺が病欠しようが、用事で抜けようが、理由つけて羽修と組んでるじゃねーか」


龍二が呻く。

いや、それは、僕がソロをして危険な目にあうと龍二が悲しむからって理由だからね?

2人の行動理由の10割から20割くらい、龍二だからね?


「ともかく、稼ぎまくりますか」


龍二が、更に強いオーラで身を纏う。

出力を上げたのだ。

当然、強いオーラを纏うほど、ステータス補正は強化されるが。

その分、魔力消費は増えるので、本来は短期決戦用の切り札だ。


レベル差で減衰しているとはいえ、経験値はそれなりに入るし。

PTが魔物を倒すとポイントがたまり、成績に反映されるので、俺にとっても都合が良い。

どんどんやってくれ。


--


「お前達……いったい、何があった?」


ダンジョンから帰還した後。

担任が困惑したように告げた。


何時もの3倍以上潜っていた俺達を心配し、そして、戻ってからは獲得ポイントに驚き。

普段の5倍は稼いだな。


普段から派手にやるので、すぐにばてて、即帰還。

残りの授業時間はのんびりとすごしていた。

今日は、授業時間終了間際の帰還だ。


「レア職業、キャプテンのチートスキルのお陰ですね。奨学金、考え直したほうが良いですよ」


龍二が、ニヤリとして言う。


龍二達は、レベルが2も上がったらしい。

俺は0。

まあ、危なかった成績はだいぶ補填できたので、得られたものは多かった。


--


『なるほど。性欲のはけ口が欲しい、と。そういう事ですね』


「そういう事ではないかな」


学校であった事をリアに話したのだが。

明後日の方向に何か納得している。

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